5G時代の交通システムがもたらす新しいカーライフ、各メーカーが描く戦略は?コンチネンタルが行った5G通信実験のイメージ コンチネンタルは10ギガバイト帯域幅を利用してクルマとクルマの間で情報を交換するなどの構想を描いている 写真は工事に伴う車線規制の情報を先行する車両が後続のクルマに伝えている様子を図案化 Photo:Continental AG

人、クルマ、会社、病院などが“つながる”時代に
不可欠な5Gの導入が間近

 次世代の高速大容量無線通信である第5世代移動通信システム(5G)の導入が間近に迫った。5G(周波数帯は3.6~6GHzと、28GHz)は、現在使われている4G(周波数帯は3.6GHz以下)通信に比べて通信速度が約10倍速くなり、送受信時に発生する遅延が約10分の1に減少する。高速・大容量通信、高い信頼性を備える5Gは、人、クルマ、会社、病院などが“つながる”時代に不可欠だ。

 NTTドコモは年内にプレサービスをスタートし、東京オリンピック開催までに商用サービスを開始する予定。米国と韓国は今年4月から一部地域で商用サービスを開始、欧州でも近く運用が始まる。中国、アセアン、豪州なども2~3年以内に5Gが使える見通しだ。このシステムの恩恵を最も大きく受けるのは自動運転やコネクテッドカー(外部の情報ネットワークとつながるクルマ)など、自動車関連だといわれている。

 総務省は2017年度から5G総合実証実験を実施している。この中でソフトバンクは、高速道路上でのトラック3~4台による隊列走行を“先頭車両のドライバー”だけで実現するための車載カメラ画像転送実験を行った。先頭車両の後ろを走るトラックが備える車載フルHDカメラの高解像度映像を、先頭車両へリアルタイムに送る実験だ。自動運転に必要な豊富な情報を、リアルタイムに安定して送受信できるか、どうかが問われる。