れいわ障害議員の「移動支援」で考える、国際社会に理解される福祉とは
先の参院選で、「れいわ新選組」から重度障害を持つ参院議員2人が誕生した。彼らの移動支援をめぐり、議論が起きている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

重度障害の参議院議員2人が誕生
問われる「移動支援」の是非

 7月21日の参院選で、山本太郎氏が率いる「れいわ新選組」から、重度障害を持つ参院議員2人が誕生した。2人の登院や議場での活動をめぐり、様々な試行錯誤が繰り返され、そのたびに活発な議論が沸き上がっている。

 現在、焦点になっているのは、2人が障害者福祉の移動支援を参院への通勤に使用することの是非だ。これまで原則として、障害者福祉の通学・通勤・営業への利用は禁止されてきた。理由は、「公費を個人の資産形成に使うことになるから」というものだった。

 是非はともかく、「障害者福祉を職業生活のために利用することはできない」という規定は、障害を持つ人の職業生活に対する大きなバリアとなってきた。公的福祉でカバーされないのであれば、家族に負担を強いるか、あるいはボランティアの好意を頼みにするしかない。移動に必要な費用を自分で支払うには、障害者はあまりにも貧乏すぎる。

 障害者作業所の連絡会としてスタートした「きょうされん」が、2016年に公開した調査結果によれば、生活保護を受給していない障害者の年収の中央値は、50万円~100万円の範囲にあった。

 そもそも、障害者が健常者並みの収入を得ることは「無理ゲー」だ。障害があっても義務教育が保障されるようになったのは、1979年のことだった。現在50歳以上の障害者には、高校や大学どころか、小学校や中学校にも行けなかった人々が多数含まれている。当然、生活保護へのニーズは高い。「きょうされん」の調査に協力した障害者たちのうち、11%が生活保護で暮らしていた。

 生活保護は、日本のあらゆる人々にとっての「最後のセーフティネット」である。障害者にとっては、より切実だ。しかし、日本の障害者たちは自分の置かれた状況を逆手に取り、生活保護を使い倒し、充実させ、そのことによって日本の公的福祉を充実させてきた。