トヨタは
通期を下方修正

 さて、4~6月期では過去最高の純利益となったトヨタだが、2020年3月期通期見通しについては下方修正している。

 具体的には、売上高29兆5000億円、営業利益2兆4000億円、純利益2兆1500億円と、売上高で5000億円、営業利益で1500億円、純利益で1000億円を期首見通しから減額し、営業利益は3%増見込みから一転して3%減の減益見通しだ。

 これは今期通期での為替レートを米ドル・ユーロともに106円・121円と期首見通しから4円円高に修正したことが主因だ。「為替などの環境変化が激しく、将来への競争も厳しい」(吉田守孝副社長)と、為替変動リスクに危機感を強めて対応を進めるトヨタらしい方向であろう。

 世界経済が不透明で、米中貿易戦争により為替環境も変化が激しくなっており、1円で400億円が営業利益を押し下げるとされるトヨタにとって円高の業績に与える影響は大きい。それでも「今通期の下方修正は、原価低減でチャレンジしていく」(吉田守孝副社長)とし、あくなき原価低減や販売面でのインセンティブ抑制、TNGA車投入効果で為替減益分の原資を稼いでいく方針だ。

 売上高約30兆円、純利益2兆1500億円で研究開発費は1兆1000億円に乗せるトヨタだが、「トヨタは大丈夫かとの危機感を持つ必要がある」と豊田章男社長。CASEの時代は、ビジネスもライバルも変わる。必要な投資は惜しまず、雇用を守るのはいかに大変かという観点で、トヨタだけでなく「仲間づくり」を進める方針を打ち出す。

 90年代末のトヨタは奥田体制で世界トップへの攻勢を強める一方で、環境対応へハイブリッド車を赤字覚悟で市場投入した。2000年代に入りグローバル拡大路線が品質問題でつまずき、豊田章男体制スタート時は米国リコール対応で苦慮し、リーマンショックでの赤字転落という試練も経験して急激な拡大路線を修正してきた。