来春5Gスマホ発売  BtoBもエンタメもアイデア続々
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ショルダーホン「100型」と日本最初の携帯電話「TZ -802型」を開発――。黎明期から携帯を知る男は今、「5G」の入り口に立っている。パラダイムシフトをどう起こすのか。NTTドコモの吉澤和弘社長に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 村井令二)

――携帯の第5世代通信規格「5G」の導入が近づいています。スマホが爆発的に拡大した4Gに対し、5GではBtoBの利用で新しい産業が生まれるという期待があります。

 5GのBtoB分野では、いろいろな企業のパートナーとトライアルを進めています。もう180くらいのトライアルが進んでいます。例えば、人不足の現場でAR(拡張現実)グラスをつけてもらって遠隔で生産現場の支援を行い作業効率を高めるとか、新人の現場訓練を遠隔で行うという実験もやっています。

 安心安全の分野では、都市の防災でいち早く異変を感知するシステムや、渋滞情報の収集と解消実験もあります。

 遠隔制御の重機の運転をコマツさんと共同で実証実験していますし、遠隔医療で無医村の患者を診断して、その映像を大学病院でみてもらうという実験もやっています。5Gを使ったBtoBのアイデアは次々と出てきていますよ。

――通信会社として5Gサービスのビジネスモデルは変わりますか。通信料金以外のサービス提供の収入もあり得ると思います。

 単に5G回線料金をもらうだけでなく、いろいろなモデルが考えられますよね。お客である法人から、5Gの回線料とサービスをセットでまとめて報酬をもらう収入モデルもあるかもしれない。

 例えば1つの企業に10万回線を提供するとして、1件1件カウントするのではなく、10万回線とそれに乗るサービスとプラットフォームを一緒に提供して、その利用料をパッケージでもらうイメージです。

 単独の回線料としてもらうパターンもありますし、5Gが利用できるプラットフォームの権利を提供するとか、5Gの導入で、通信会社自身のビジネスモデルは広がっていくと思います。

――コンシューマー向けの5Gの料金はどうなるのでしょうか。現行の4Gの料金体系の「ギガホ」を改定することになるのでしょうか。

 現行の料金体系で5Gの料金をカバーするのは無理なんじゃないですかね。「ギガホ」は最大30ギガバイト(GB)のサービスですが、5Gになれば30GBでは全く足りないでしょうから。

 ただ、5Gサービス開始の最初のころは、5Gのエリアが外れたスマホはLTE(4G)につながりますから、4Gと5Gの両方建ての料金体系にしなければいけないかもしれません。

 それは、「ギガホ」のメニューを延長・拡充するパターンになるのか、あるいは、4Gと5Gの別建ての料金体系を一緒に提供するのがいいのか、5Gの料金プランはいろいろなパターンを検討しているところです。

 サービスが始まるのが20年春なので、それまでに5Gの料金体系を決めなければいけないので、急いでいます。