>>(上)より続く

金銭で人が変わるケース
本性か、または邪がついているのか

 お金が絡んでくると“いい人”がおかしくなることがある。

 Cさん(40歳男性)の、中学の頃からの友人が電話をかけてきた。

「当時30歳ちょっと手前だったと思う。Cとは久しぶりで、うれしくなって電話に出て『どうしたの?』と聞くといきなり『金を貸してくれ』と。正直面食らった」(Cさん)

 なぜ入り用なのかを尋ねても、友人は「必要なんだ」としか言わない。金額は10万円であるという。

「蓄えがないわけじゃないけど10万円はそれなりの大金。困っているなら貸してあげたいのはやまやまだが、返ってこないことも覚悟しなければならない。第一事情も知らされず、使い道のわからない10万円を貸したいとはなかなか思えない」

 Cさんは「そろえられるかわからないけど一応工面しようとしてみるので、ちょっと待っててほしい」と言って電話を切ったそうである。そして、「この断り方がまずかった」とCさんは後々気づかされることになる。

「30分後にまた友人から電話があって、『どうなりそう?』と。こっちはまだ仕事中だし、そんなにすぐ用意できるほど簡単な金額じゃないんだからもう少し待っていろと伝えました。

 電話を切って、共通の知人に電話してみると『お前のところも借金のお願い、きた?事情はわからないけど、そんなわけわかんないことのために10万円貸せないよってこっちは断ったよ』とのこと。

 それを聞いて、確かにそれもそうだよなと思って、自分も貸すのをやめようかなと考えていたらまたその友人から『どうなった?』と連絡があった。さすがに頭にきて『そっちも焦っているかもしれないがこっちにも都合がある。少なくとも事情がわからないと貸せない』と言った。

 友人は『親の入院費用が必要』と答えたが、それを証明するものはあるのか尋ねるとモゴモゴしていて、ああうそだなと。『それじゃやっぱり貸せないよ』と言うと、