料理本のように
『時間術大全』を活用してほしい

――今やインターネットで検索すれば、仕事を効率化するさまざまなITツールやアプリ、ライフハックのための方法が載っています。

 ジョンと私が本でまとめたような考え方に至ったのは、私が仕事の中で行ってきた数々の「実験」があったからです。

 当初はジョンと一緒に、より生産性を上げるためにどうすればいいかを考え、多くのITツールを使いました。スプレッドシートやTO DOリストなど、さまざまなアプリもたくさん使いました。しかし、結局あまりうまくいかなくて、最終的にもっと他のやり方を考えなければダメだという結論に至ったのです。

 こうした実験はグーグルやグーグルベンチャーズ、マイクロソフト、家庭では父親として、生活の全てを使って実験をしていました。どうやって時間を生み出したらいいのか、何度も実験を重ねてきて、多くの人が簡単に実践できること、現実的な答えを考えました。

――しかし、87の方法を実践するのは、多くの人にとって難しいと思います。

 そうですね。本を書いていく中で、これはある種のレシピ本だと思っています。多くの人はレシピ本からどれか1つの料理を作るでしょう。パラパラとめくって、気に入ったレシピを参考にしますよね。誰も全てのレシピを最初から最後まで作りません。私たちの本もそういうふうに読んでいってもらいたいと思っています。それで、2つでも3つでも、役立つものを探してほしいと思っています。使い勝手のいい料理本だと思ってもらいたいですね。

――87の方法に優先順位をつけるなら、どうなりますか。

 最もパワフルな時間術ですか……。そうですね、やはり「ハイライト」を実践してみるといいと思います。

 朝、何が最も大事なことなのか。1日を振り返って、何があなたにとって最も重要なものだと感じるか。これを朝、書き留めるのです。

 これは最もパワフルです。重要なことが、1日のうちにやらなければならないことの中から、抜け落ちてしまうこともなくなります。やるべきことの優先順位をつけるときに、このハイライトがあるおかげで、他のことを押しのけざるを得なくなります。

 毎朝、1日の最も重要なことを書き留めることは、「時間術」を身につけるための最初のステップとなります。だから、これは第1です。本の中で最初に書いていることでもあります。

 もう1つは、私はもうやり始めて7年になりますが、気晴らしになるようなものを省いたiPhoneにするということです。私のiPhoneには余計なアイコンがありません。アプリは2~3種類だけです。インスタグラムもないし、フェイスブック、Gメール 、ユーチューブもありません。

――それこそ、多くの人にとって実践するのは難しそうですね。

 そう、確かに本当にクレイジーだと思うでしょうね。でも、アプリを減らしてみようと思った人は、まず1つだけ試しに消してみると、だんだんと「それじゃあ次はインスタグラム、その次はメール」といったように進んで消すようになります。これは、自分の集中力や気を散らす要因を見つけだす、つまり弱みを探すという作業であって、時間術を会得するための非常に大きな力となります。

 初めのうちはこうした方法について人に話すと、本当に突拍子もない方法だと思われました。ただ、試しにやってみると本当にその効果に驚く人が多いですね。