全選択肢にあたると、「可能性の濃淡」が見えてくる

 しかし、これは悪いことではない。課題が進化したのだ。

 これらの課題に出会ったがゆえに、宇宙技術が、どれだけ地球の持続可能性に寄与しているか、宇宙環境の悪化が、どう地球の持続的発展を阻害するのか調べなければと思った。調べた結果は、その後何度も同じ質問に出くわすごとに使うことができた。

 また、2つめと3つめの課題については、逆に、複数社が世の中に出てきたり、アストロスケールが技術的に証明できたりすれば、基金・財団にもう一度仕掛けることができると考えた。つまり、基金・財団というのは、短期資金の担い手ではなく、長期資金の担い手に分類すればよいとわかった。これは課題が進化したことになる。

 すべての選択肢にあたりはじめるとなると、To Doリストが増えるはずだ。だが、すべての選択肢を一度はあたってみよう。そうすることで、濃淡がつくはずだ。それぞれの解決オプションごとに、新たな課題が見つかるはずだし、一方で可能性が低いものを深追いする必要はなくなる。

 広く動くと、課題の全体像がリフレッシュされるのである。