またこの期間のイールドカーブについて、10年金利から1年金利を差し引いたスプレッドは以下の通りになっている。今は、スプレッドがない状態だ。

「不況の前触れ」
米中対立や消費増税で不透明感

 アメリカでは、2年と10年の金利が逆転すると、景気の先行きが怪しい兆候といわれている。今の日本で見ると、形式的には、2年と10年とで金利逆転はないが、2年と7年とではかなりの金利逆転になっている。

 一般論として、長期金利は将来の短期金利の積み合わせになっている。

 例えば、2年金利は1年金利と1年後の1年金利、数式でかけば、1+2年金利=(1+1年金利)×(1+1年後の1年金利)。

 3年金利は2年金利と2年後の1年金利、1+3年金利=(1+2年金利)×(1+2年後の1年金利)。

 そして、10年金利は、今の1年金利、1年後の1年金利、2年後の1年金利、…9年後の1年金利によって決まる。

 10年金利が今の1年金利より低いというのは、これからの1年金利が今より低いと予想されることを意味する。「逆イールド」は、将来の短期金利が現在より低いと予想されると起こる。

 金利が低いというのは経済活動が盛んでないことを意味しているので、不況の前触れという連想になるのだ。

 7年金利まで「逆イールド」になっている現在の日本経済に当てはめると、今後7年間は景気の先行きが明るくないとなる。

 少なくとも1年前は、金利の状況からはそこまでの先行きの不安はなかった。それに比べると、今は先行きの不透明感がかなり増しているというわけだ。

 その原因は、(1)米中貿易戦争の激化、(2)10月末のハード・ブレグジット(英国の合意なきEU離脱)、(3)アメリカとイランの対立によるホルムズ海峡での不安、(4)日韓関係の泥沼化、(5)日本での10月からの消費増税だろう。

金融機関は最悪の状況
利ざや取れず収益悪化

 金融機関にとっては、マイナス金利や長短金利の逆転は利ざやが取れず、経営に悪影響がある。