尊敬してやまない「偉大な投資家」の教え

私はよく「尊敬する投資家は誰ですか」と質問をされます。
日本人の投資家にすごい人がいて、本多静六さんという方がいます。

本多さんは1866年生まれで、東大教授なども務めた明治・大正時代の造園技師です。超一流の造園技師であり、彼の造った公園は今でも名庭園として多くの人に愛されています。

彼は仕事のかたわら、収入の4分の1を天引きで貯蓄し、それを株式に長期投資しました。退官するまでに現在の価値で100億円を超す資産をつくったそうです。

本多さんの遺した言葉で、私が好きなものがあります。

人生最高の幸福は、社会生活における愛の奉仕によってのみ生じる。わかりやすく言えば、他人のために働くことだ

愛の奉仕」「他人のため」という思いを持つことそのものが幸せなことであり、それは本多さんにとっては投資のリターンだったのだと私は考えます。
結果的に、そのことがさらに周囲の人からの信頼を呼び、大きな成功につながったのでしょう。

戦後、日本が焼け野原になったときに、本多さんの本はベストセラーになり、多くの人が「本多静六ウェイ」を実践したといわれています。

せっかくこのようなすごい投資家がいるのに、現代の日本で広く知られていないのが残念でなりませんが、「私たちもいつからでも彼のような利他的な生き方を目指せる」ということを、ぜひ知っておいてほしいと思います。

偉大な投資家の見ている先は、つねに明るい未来を信じているのです。