得られるデータは
人間に当てはまるとは限らない

 動物実験の目的として、「医学の進歩のため」「科学の発展のため」「人間の安全のため」「教育のため」が挙げられる。それらの大義名分のもとで行われている実験とは、具体的にどのようなものなのだろうか。

「たとえば、化粧品の安全性や有用性を調べるために、ウサギの目に化粧品の成分原料である化学物質を注入したり、モルモットの背中の皮膚をあらかじめ損傷させそこに被験物質を塗布したり、絶食させたマウスに強制的に被験物質を投与したりするなど、およそ美しさとは程遠い残酷な実験が行われています。いずれの実験でも動物は徹底的に苦しめられた後、殺され廃棄される運命をたどります」

「化粧品や日用品、食品添加物などの安全性を調べるためにはやむを得ないのではないか」と考える人もいるかもしれない。ところが、その動物実験で得られたデータの多くは人間に当てはまらないと、疑問視する医師や専門家も増えているという。

「動物に化学物質を飲ませたり、有害物を皮膚に塗ったりする実験によって、人間には安全だと判断されたはずが、後になって人体だけでなく環境への危険性が明らかになったケースは数多くあります。というのも、人間と動物では体の構造や代謝機能などに大きな差(種差)があり、薬物に対する反応も違うからです」

「研究施設内で行われた動物実験のデータを、人間にそのまま当てはめることはできないと主張する医師や科学者も多いのです。むしろ『動物実験によって得られたデータが、人間の病気の治療に誤った知識をもたらし、医学の進歩を遅らせている』と主張する声が高まっていて、専門的見地からも動物実験の過ちが指摘されています」