長友が思わず感謝したように、想定外の事態にも慌てることなく大迫は左足をボールにヒットさせてゴールネットを揺らした。ファーサイドへ行くと見せかけて急旋回し、マークする相手選手の死角から眼前に飛び出した駆け引きを含めて、完璧な形から生まれた代表通算15得点目だった。

「長友さんからいいボールが来たので、左足に当てることだけを考えていた。1点を取ったことで、チームとして楽に戦えるようになったのでよかったと思っています」

 シャイな性格であるがゆえに、どんなに活躍しても大迫は決して冗舌にはならない。自身と2列目のトリオ、左から中島翔哉(FCポルト)、南野、堂安律(PSVアイントホーフェン)との絶妙の距離感や連動性を問われても「よかったんじゃないですか」と、黒子に徹する存在だと強調する。

「この4人でけっこうやっているので、そこまで考え過ぎることなく、感覚的な部分を合わせていけばチャンスはすごく増える。中盤の3人が自信を持ってプレーすることで、このチームが一番生きると思っているので、そこは上手くやっていきたい」

 献身的かつ効果的にかけ続けたプレスの「一の矢」を問われても、予想通りの言葉が返ってきた。

「最低限そこはやらなきゃいけないこと。ワールドカップの舞台にいけば必ずやらなきゃいけないことなので、意識してやっています」

昨シーズンはわずか3ゴールも
センターフォワード拝命で絶好調に

 南米の難敵パラグアイとの国際親善試合。そして、舞台を敵地ヤンゴンへ移して10日にキックオフを迎える、ミャンマー代表とのカタールワールドカップ・アジア2次予選初戦へ。心技体が至高のハーモニーを奏でた状態で、大迫は茨城県鹿嶋市内で合宿に入っていた森保ジャパンへ合流した。

 帰国直前の1日に行われたFCアウグスブルク戦の前半6分に先制弾を、後半22分には決勝弾を決めて、リーグ戦3試合目にしてブレーメンを初勝利に導いた。ドイツカップを含めた公式戦4試合で4ゴールをあげる絶好調ぶりの要因を、大迫はチーム内の立ち位置の変化に帰結させている。

「チームの中でしっかりと責任感をもって、中心としてプレーさせてもらっているので。毎試合、毎試合、自分にプレッシャーをかけながらやっています」

 コリンビア代表とのロシアワールドカップのグループリーグ初戦で決勝点をゲット。西野ジャパンを波に乗せた活躍ぶりを介して、鹿児島城西高校時代から枕言葉として語られてきた「(大迫)半端ないって」が、昨年の「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに選出された。