一戸建てもマンションもスムーズに売却ができれば問題はないが、大都市圏以外ではそれも難しいだろう。しかも、一戸建てに比べて、一般的にマンションは築年数の経過によって資産価値が下がっていくため、古くなればなるほど、売却したり、貸したりすることが難しくなり、結果として“塩漬け”の物件になりがちだ。

空き家をなくすためには
人口を増やし、住宅を減らすしか方法はない?

 このように空き家が増えている一方で、住宅の数は右肩上がりで増えている。冒頭で挙げた調査によれば、平成に入ってからの数値だけを見ても、全国の住宅総戸数は、

平成5年  4588万戸
平成10年 5025万戸
平成15年 5389万戸
平成20年 5759万戸
平成25年 6063万戸
平成30年 6242万戸

 となっている。

 さらに、共同住宅の住宅数の推移を見てみると、昭和63年に1141万戸だったものが、平成30年では2334万戸となり、この30年の間に2倍以上増加していることになる。少子高齢化と人口減少が問題になっているにもかかわらず、新しい住宅が増え続けているのだから、空き家問題が解決するわけはないだろう。

 空き家問題を解決する確実な方法としては、

(1)人口(居住世帯)を増やすか
(2)住宅を減らすか
(3)(1)と(2)の両方を実施するか

 が挙げられる。反対にいえば、そのくらいしか方法はないのだ。現在、さまざまな専門家や団体が空き家問題についての研究を進めているが、「なるほど」と思わず膝を打つようなアイデアは、残念ながらまだ出てきていない。

 (1)については、出生数が増えない現状では、例えば移民を受け入れるなど、社会構造から変える必要があるだろう。(2)についても同様で、本気で空き家を減らしたいなら、住宅に関する法律を厳しくするしかない。