人前に立ったら「夢」「数字(業績)」「笑い」を33%の割合で話す

ビジネスでもプライベートでも<br />対人関係を円滑に進める「33%の法則」山下誠司(やました・せいじ)
(株)アースホールディングス取締役(株)サンクチュアリ代表取締役
日本最大級の240店舗を展開する美容室「EARTH(アース)」を運営する、(株)アースホールディングス取締役[スタッフ3000名、年商180億円]。うち70店舗をフランチャイズ展開する、(株)サンクチュアリ代表取締役も兼任。(株)サンクチュアリは、自社から輩出したフランチャイズ30社とともに、関東、甲信越、東海、北陸、北海道、福岡で展開[スタッフ900名、年商50億円]。1976年、静岡県生まれ。高校卒業後に上京し、19歳で年収180万円から美容師を始め、31歳で年収1億円を超える。19歳から23歳まで、ほぼ休みなく仕事をし、24歳から39歳までは、始発から終電まで365日、15年間、1日たりとも休みなく仕事。40歳からは、仕事と遊びの壁が、完全になくなる。愛車は、フェラーリ488スパイダー。趣味は「仕事」。

以前、私が議長を務める勉強会に、飲食店を160店舗以上経営する伊藤社長(仮名)をお招きしたことがあります。伊藤社長も人間関係を「33%」のバランスで考えている経営者でした。
勉強会が終わり、伊藤社長に勉強会の感想をうかがうと、開口一番、こう指摘されました。「山下さんの話には、ムダがありません。でも、ムダがないことは、必ずしも良いことではないのですよ」
私は、雑談もせず、笑いも取らず、「こうすればいいという結論」しか伝えていませんでした。当然、波や変化、喜怒哀楽がないため、聞き手が窮屈さを感じていたのです。
伊藤社長からは、「33%のバランスを意識して話したらどうか」と教えていただきました。話の内容は、「夢が33%、数字(業績)が33%、笑い(雑談など)が33%」の割合で組み立てる。自分が一方的に話をするのではなく、「自分が話す時間が33%、参加者が話す時間が33%、余興の時間が33%」の割合で配分する。そうすると、参加者の聞く姿勢が変わる、というのです。さっそく私は、次の勉強会で、180度、やり方を変えて「33%のバランス」を取り入れることにしました。会議中に、物マネや一発芸をしたり、カラオケ好きの社員には、一曲歌わせるようにしました(笑)。
今では、勉強会を楽しみにする参加者が増えています。「次回も参加したい、また話を聞きたい、今回の話を誰かに伝えたい」と思うようになってくれたのです。
コミュニケーションを取る上で大切なのは「バランス」です。バランスが取れている人は、人間的な魅力が増して、無意味に嫌われることがありません。「33%」を意識してコミュニケーションを取ると、人間関係が手詰まりになることはないと思います。