さて、その増税対策、軽減税率をはじめ、いくつか用意されているが、中でも目玉の一つとされているのが、消費税分の一部をキャッシュレスのポイントで還元するというものである。

 これについて、8月16日の東京MXテレビの朝の番組「モーニングCROSS」の「オピニオンCROSS neo」のコーナーで批判的に話したところ、大きな反響が得られた。

 もっとも、テレビ番組では時間が限られている中、口頭での説明が中心であるため舌足らずなところがあったとも考えられる。もちろんご覧になれなかった方も多くいらっしゃると思われるので、増税前のこのタイミングで、消費税増税ポイント還元の本質はどのようなもので何が問題なのかといった点について、改めて解説することにしたい。

ポイントの原資は税金で
キャッシュレス決済が前提

 まず、このポイント還元の仕組みを簡単におさえておくと、消費税増税以降に、キャッシュレス決済を導入した中小店舗等において、同決済で支払いを行った場合に、税込み支払額の、中小店舗の場合は5%、フランチャイズ等の場合は2%がキャッシュレスのポイントとして消費者に還元されるというもの。

 そしてこのポイント、店舗が負担するのではなく、キャッシュレス決済事業者の請求に基づいて国の補助金が交付される。つまりポイントの原資は税金である。

 一方で、このポイント還元はキャッシュレス決済が前提となっているので、対象の店舗となるためにはキャッシュレス決済を導入しなければならない。

 もっとも、端末導入費用の3分の1を決済事業者が負担し、3分の2を国が補助することになっているので、対象店舗の負担はゼロである。また、キャッシュレス決済の加盟店となり決済インフラを利用するにあたっての手数料は上限3.25%とされ、その3分の1を国が補助することとされている。こちらもすでにお分かりのとおり、ほぼ税金で丸抱えである。

 これらの実施に係る費用は、本年度当初予算で総額2798億円である。

 さて、この消費税増税のポイント還元は、増税対策、増税後の消費減対策と認識されることが多いようだが、実は国民、生活者、消費者のために進められているものではない。