魅力的な自治会活動に
中野区「沼袋親和会」の取り組み

 しかし、災害時ともなれば、たとえ非加入の人に対しても、多くの自治会は支援を行うもの。中野区にある「沼袋親和会」の町会長(=自治会長、自治会と町会は同じ意味)を務める、北原奉昭氏は次のように語る。

「もちろん、町会員ではない人も災害時には支援を受けられますし、普段から開催している防災訓練にご参加いただくこともできます。マンションやアパートなどに住んでいる場合、町会に入っていないという方も多いでしょうから。ただ、本当はせめて一戸建ての方には町会に入ってほしいです。町会の総会では財務も透明性を持って発表していますが、防災の積み立て、防犯カメラの設置などのやりくりも必要ですからね」

 同会の町会費は年額1800円だが、3400世帯(マンション・アパートの一室含む)のうち加入率は約3割。現実問題として、災害支援や防犯カメラの恩典は非町会員も受けられるため、“タダ乗り”もできてしまう。そこで同会では、町会の加入を促すためには活動内容の周知が必要と考え、新たな取り組みを開始。4年前から近隣の9つの町会・自治会と組んで、廃校になった小学校のプールを再利用した釣り堀「みんなのぬまぼり」を開始した。

「みんなのぬまぼり(10月27日まで毎週日曜日に開催)は、地域コミュニティーの交流の拠点となっています。元々は来場者のほとんどがお子さんでしたが、最近はお年寄りや外国の方も遊びに来られるようになり、この廃校を利用した取り組みは、大手テレビ局でも取り上げていただきました。東京都の助成金や中野区の支援も受けている事業のため、入場料は小中学生と70歳以上が無料で、一般が100円(エサ代)と、低料金に抑えることができています。釣り堀で餌やりや管理などをしてくれている町会員さんも、生き甲斐を持ってやっています」

 再び水津氏に話を聞くと、これからの時代の自治会は、こうした独自の工夫や変化が求められるという。

「自治会に入らない人の意見を聞くと、その多くが役員や担当などの義務を課せられたくない、という返事が返ってきます。それならば一定の義務を誰かに押し付けるという形ではなく、みんなが希望の時間にちょっとずつお手伝いするという仕組みを作ればいいし、自発的に参加したいと思うような催しを企画すればいいでしょう。私は、不公平感を生まないためにも、役員や担当を受け持った人は、相応の報酬を積極的にとってもいいと思っています。実際に、役員に報酬を出す自治会も増えています」

 報酬の額は予算規模にもよるが、年間数千円から数万円程度がよく聞くところだ。会計の透明性さえ担保されていれば、別にその額にとらわれる必要もない。いずれにせよ、自治会のルールは会員の総意によって決められるべきである。