「英語が全然話せない」「皆の会話に入れない」「会議で一言も発言できない」。ネイティブを前にしたとたん、「英語が通じない」と悩む日本人は多くいます。一方で、日本人と同じく、英語でハンディがあるはずの非ネイティブは、うまくやっています。なんと、ビジネス英語には、非ネイティブが身につけるべき「絶対ルール」が存在したのです。
1年2ヵ月売上ゼロで窮地に追い込まれた著者が、今ではネイティブを部下に持ち、15ヵ国以上の外国人プロフェッショナルをマネージするきっかけとなった、非ネイティブが実践しているテクニックを『ビジネス現場で即効で使える非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』にまとめました。学生時代に学んだ単語でじゅうぶん。使えるフレーズを多用し、ポジティブで丁寧な言い回しを意識すれば、英語での会話は怖くありません。「こんなとき、なんて言えば?」があっという間になくなるキーフレーズを中心に紹介します。

なぜ、進捗状況を報告するとき、「report」ではなく、「update」を使うのか?Photo: Adobe Stock

「update」を使うことで
スピード感を持って伝わるイメージを出す

 報告に使う英語で、特にタスクやプロジェクト、緊急案件など、進捗の報告に使えるのが「update」です。「update」には、「最新のものにする」という意味があります。

 上司やクライアントに報告する目的の一つに、「事情を詳しく知らせることで、こちら側に巻き込む」狙いがあります。

 もし失敗しそうなときに「失敗するかもしれない状況を共有して、どんな手段がとれるか一緒に考えて決めた」場合と「失敗してから報告した」場合だと、上司の怒りの度合いも違うはずです。もしものときのために、こまめにアップデートすることが、大事です。

 また、ビジネスでは情報がすべてです。「Take the lead, and you will win.」(先んずれば人を制す)ということわざがあるように、情報を収集すれば先手を取れます。

 それを心得ている非ネイティブは、上司やクライアントへの進捗の報告では、あえて「I’ll keep you updated.」(随時ご報告いたします)と「update」を使うので、相手は「常に最新の情報」が提供されているという印象を受けます。

「report」では単に報告する印象しかない

「report」「inform」「announce」などを使って報告することは可能ですが、非ネイティブは「update」を戦略的に使いこなしています。

なぜ、進捗状況を報告するとき、「report」ではなく、「update」を使うのか?

 英語での報告の際には「I’ll keep you updated.」を使って、新しい情報が迅速に伝わっていると印象づけましょう。

 日本語でもパソコンをアップデートすると言いますが、同じニュアンスです。外国人に対して「update」で報告すると、最新情報がきちんと更新される安心感が伝わります。

 たとえば、今すぐに最新情報が手に入る状況でなく、情報の伝達が明日になってしまう場合、「update」の名詞形を使ったフレーズを使うことができます。

「Can I give you my update tomorrow?」(新しい情報は明日お知らせするということでいいですか?)というように、「update」を使うことで、遅れているときでも可能な限り迅速な情報提供がなされているイメージを伝えることができるのです。

 海外では、スピード感、情報の透明性が評価されます。失礼がなく、丁寧で率直な印象を与えることを心がけたいものです。「update」を駆使して、常に良い情報も悪い情報もリアルタイムに報告することが大切です。