2011年当時、女子サッカーはマイナーな存在でしたが、サッカー自体にはそもそも世界中を熱狂させるだけのコンテンツ力があります。その女子サッカーの日本代表が、体格的には大きな差がある欧米の代表チームの壁をパス回しの技術で乗り越える姿は、表現は正確ではないかもしれませんが、「判官びいきの日本人」の琴線に触れるものがありました。

 そして澤、宮間、大野、阪口、川澄、丸山、熊谷、岩清水、海堀と、それぞれキャラの立った、後にスターとなる選手たちの姿がそこにありました。バラエティに富んだキャラを持つチームゆえに、その中には自分を投影して共感できる選手が必ずいるのです。

 こうした3つの要素がそろったことが、2011年になでしこジャパンブームが起きた要因です。この線に沿って今回のラグビーW杯ブームを分析してみると、まったく同じ状況が生まれていることがわかります。

人を熱狂させるだけの
コンテンツ力がある

 そもそもラグビーW杯は、オリンピック、サッカーW杯とならぶスポーツ界の世界3大イベントだといわれています。「いやいや、今行われている世界陸上だって人気はあるよ」とおっしゃる人もいるでしょうが、ラグビーとサッカーのW杯が別格なのは、A代表による世界頂上決戦がオリンピックでは行われないからです。

 15人制ラグビーはその消耗性から、開催期間が17日間しかないオリンピックにはそもそも不向きで、オリンピック種目としては過去4大会でしか開催経験がありません。ラグビーの世界の頂点を決める大会はラグビーW杯しかなく、その意味でスポーツ界では別格の大会となっているのです。

 そして今、ラグビーW杯の虜になっている日本人が感じているとおり、ラグビーには人を熱狂させるだけのコンテンツ力があります。

 ちなみに、私が最初にラグビーの魅力を知ったきっかけは、40年近く前に自分が卒業した県立高校で、ラグビーがとても盛んだったことが理由です。なにしろ、ラグビーW杯のPRキャプテンである舘ひろし大先輩が初代ラグビー部長を務めたという伝説が残る学校で、公立ながら花園に2度出場するほどのラグビー強豪校です。体育の授業では、ラグビー部顧問の熱血教師によるガチなラグビーの授業が行われて、当時の卒業生はその意味で皆、ラグビー経験者でした。