スタンフォード大学から生まれた無料のオンライン授業「コーセラ(Coursera)」
が話題を呼んでいる。
コーセラが創設されたのは今春、シリコンバレーの大手ベンチャーキャピタルであるクライナー・パーキンズ・コーフィールド&バイヤーズとニュー・エンタープライズ・アソシエーツから1600万ドルの資金を得た時だ。両社の資金はさらに600万ドル増やされ、コーセラは合計2200万ドルの資金ですでに大掛かりに運営されている。
コーセラのしくみはこうだ。
協賛大学になっているのは、スタンフォード大学の他、ミシガン大学、デューク大学、カルテック(カリフォルニア工科大学)、ペンシルバニア大学などの有名校16校。ここに属する教授たちがそれぞれの講義をビデオで届ける。コースは数週間で修了するよう設計されていて、その間、学生たちはクイズやテストを受けたり、同じ講義を取っている他の学生とやり取りしたりしながら、学習の深みを増していく。修了すると、コーセラの修了証が授与される。
コーセラを創設したのは、スタンフォード大学の教員2人だ。ダフニー・コラーは、スタンフォード大学のコンピュータサイエンス学部教授、もうひとりのアンドリュー・ングは同学部の准教授だ。コラー教授は、アメリカの天才賞とでも呼ぶべきマッカーサー・フェローシップを受賞した経歴の持ち主で、機械学習が専門。ング准教授は人工知能が専門で、今までもスタンフォード大学の無料のオンライン授業を作ってきた。
コーセラの設立は、無料のオンライン授業への需要や人気がかなり高いことを、ング准教授の経験で知ったことが発端だった。高等教育は限られた場所で恵まれた学生に与えるだけでなく、広く世界中の志ある人々に受けてほしいと願ってのことである。
ただのオンライン授業とはわけが違う!
宿題あり、質問にも平均22分で返答が
今までも、大学の授業を公開するオンライン授業の例はいくつかあった。だが、だいたいは実際のキャンパスで開かれている授業のビデオや、そこで使われる教材を公開するという程度ものだった。確かに授業は見られるが、自分の知識がどのくらい向上したのかといったことはわからないし、ましてや他の学生とのやりとりもない寂しいものだ。
そうした点に大きな改良を加えたのが、コーセラのオンライン授業である。