毎日、なんとなく同じメイクをしていませんか? そのやり方、本当にあなたの顔を美しく見せてくれていますか? もし、ちょっとよくわからない……と思ったら、ぜひこの方法を試してみてください。人の顔には、顔立ちや年齢にかかわらず、「ここをこうすると誰でも美しく見える」という、共通したポイントがあります。そのポイントを踏まえてメイクすることで、どんな人もまるで「すっぴんが美人」であったかのように美しく見せることができます。モデル・女優が「ここぞ!」という仕事で頼りにするメイクアップアーティスト・佐伯裕介が、どんなナチュラルメイクの日でも必ず美人に見せられる、メイクのコツを分かりやすく紹介します。
究極のチークは、自然に上気した子どもの頬のような血色
ひと刷毛でパッと、顔に明るい華やぎを与えてくれるチークが、僕は大好きです。チークの質感や表現方法に合わせて、チークブラシを5本以上持っているほど。ですが、僕がメイクの勉強を始めてから、一番つまずいたのもチークでした。
チークは、自然に見せるのがとても難しい工程です。たとえば、ブラシをくるくる回して丸く入れると、中心ばかりが濃くなったり、円が大きくなりすぎたりして、頬が下がって見えてしまいがち。頬骨の下に斜めに入れると、シャープになりすぎて老けたように見えてしまうこともあります。
なんとかきれいに見えるチークの形はないかと、いろいろ研究を重ねてきた結果、見つけたのが「3方向にブラシを動かす」という方法です。
(1)耳から前へ動かし、(2)そこから真下に下ろし、(3)1と2の頂点から斜め後ろに下ろすと、三角のような形がうっすらできあがります。
これは、人間の体の自然な反応として血色が出るときと同じ形。小さな子どもの頬が上気したときもそうですし、中世の絵画の人物の頬も、こうして描かれています。この形こそ、誰でも頬がリフトアップして、左右のバランスも整って見える、最も自然なチークの形です。しかも、どんなに不器用な人でも、簡単に入れることができるのです。
僕は今、ナチュラルメイクを行なうときには、いつもこの方法でチークを入れています。人種や年齢を問わず、誰もが素敵に見えるチークの入れ方はこれしかないと断言できるほどです。
ただ、ひとつ注意していただきたいのは、チークはあまり目立たせないほうがいいということ。日常生活のなかでチークを入れすぎると、メイクそのものが濃く見えてしまいます。顔を自然に美しく見せるためのメイクの中では、「アイメイクとリップメイクの間をつなぎ、双方のバランスを取る」というのがチークの役割。あくまで自然な血色として、顔を引き立てるような入れ方がベストです。
『自分のままで圧倒的に美しい』では、チークを入れる位置や、入れ方のプロセス、きれいにぼかすコツについて、写真つきで分かりやすくご紹介しています。選ぶときに気をつけることや、おすすめのブランドや色みなどとあわせて、ぜひチェックしてみてください。