自然に治癒しない歯周病
早期の治療がカギ

 歯周病は、一度発症すると自然に治癒することがない進行性の疾患。進行度によって治療法も変わるが「とにかく早めに治療をはじめてほしい」と新谷氏は話す。

糖尿病や心筋梗塞とも関係…歯周病の恐ろしい「事実」とはしんたに・さとる(東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニック院長) 1961年、香川県生まれ。祖母を舌がんで亡くした経験から口腔外科医を志し、岡山大学歯学部へ進学。その後、口腔外科治療や口腔がんの研究に携わり、2006年から昭和大学歯学部顎口腔疾患制御外科学講座主任教授、2010年には昭和大学口腔がんセンターセンター長に就任し、2014年に東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニックを開設。

「軽度の歯周炎は歯茎が少し赤くなり、腫れた状態。歯周ポケットは3~4mmほどの深さになります。歯周病の初期なので、歯周ポケットの中や歯の表面に付着した歯垢をスケーラーという器具で取り除く『スケーリング』という治療を施します。自宅では、医師や歯科衛生士の指導に基づいた正しいブラッシングをしてください」

 中度歯周炎は、歯茎が化膿して強い口臭を発するようになり、歯周ポケットの深さは4~5mmほど。ブラッシング中に歯茎から膿が出ることもある。歯周ポケットが5mm以上深くなっている場合は、局所麻酔をして歯茎を切開し、歯肉に隠れていたプラークや歯石を取り除くフラップ手術を行うこともあるという。

「重度の歯周炎になると、歯がグラついて歯茎がさらに腫れあがります。歯と歯のすき間が広がって歯茎が下がり、歯が長く見えるのも特徴ですね。歯周組織の再生を図る再生療法を施すこともありますが、ここまで進行している歯は抜歯する可能性が高いです」

 歯周病は、目に見える変化のほかにもさまざまな自覚症状が見られるという。歯周病の代表的な症状は以下だ。

□歯がむずがゆい感じがする
□歯と歯肉の接しているところが赤く腫れている
□歯を磨いたときに出血が見られる
□歯肉から膿が出る
□口臭が気になる
□唾液がネバネバする
□朝起きたときに口の中に不快感がある
□食べ物がかみづらくなる

 上記のうち、6つ以上当てはまった場合は歯周病がかなり進行している可能性があるという。すぐに治療をはじめよう。