売電収入にはもう頼れない
自家消費、価格競争の時代へ

 とはいえ11年の東日本大震災以降、再生可能エネルギーへの関心が高まり、またFITが始まったこともあって普及率も少しずつ伸びてきた。

 今後は技術開発でシステム価格が下がると見られていることから、30年度には住宅用太陽光発電システムを設置した住宅の戸数が520万戸に達し、普及率が9.7%になるという予測もある(富士経済調べ)。

 一方で、今年度から住宅用太陽光発電ではFITが順次終わる。

 今年度だけで56万戸が卒FITし、20年度以降は毎年度20~30万戸、25年度以降は毎年度15~20万戸程度が卒FITする見込みだ。

 つまり住宅用太陽光発電を普及させるためには、今後は売電収入の利益に頼るのではなく、自家消費による電気料金の節約によってコストパフォーマンスを高めるしかない。

 そのためには蓄電システムを導入して発電した電気をいつでも使えるようにしておくこと、そしてそのイニシャルコストを下げるしかないのだ。

 そんな中、10月15日にテスラモーターズジャパンが、家庭用蓄電システム「パワーウォール」を20年春から発売、設置すると発表した。米国では15年からすでに販売されている。日本でも16年から予約を受け付けていたが、ようやく実現の目途がついたようだ。

 本体価格は13.5kWhで82.5万円。これに系統電力接続をコントロールする「バックアップゲートウェイ」(16.5万円)と組み合わせた価格は99万円(工事費などは別。いずれも税抜)だ。

 1kWh当たりの価格で国内大手メーカーの半分以下になるともいわれているため、テスラが本格参入すれば日本市場で価格破壊が起こる可能性がある。

 これまで住宅用太陽光発電市場は国内大手メーカーがけん引してきた。太陽光パネルの価格はかなり下がっており、これからは蓄電池の価格も下がってくるとみられる。そうなると普及率は加速していくだろうが、その一方で国内メーカーは外資系との価格競争にさらされることになる。