デジカメ大手の2020年3月期第2四半期(一部19年12月期第3四半期)決算が出そろったが、市場縮小の影響が止まらない。ニコンは通期見通しを下方修正し、映像事業で初めての赤字になると発表した。馬立稔和社長兼CEO(最高経営責任者)は「急速に縮小する市場への見通しが甘かった」と陳謝。構造改革で立て直しを図るが、映像事業はニコンの根幹なだけに失敗は許されない。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
デジカメ最大手のキヤノンに続き
やはりニコンも通期業績予想を下方修正
ダイヤモンド編集部が既報した通り(8月1日配信のダイヤモンド・オンライン「最大手キヤノンですらピンチ!デジカメ市場に吹く『大逆風』」)、大手デジタルカメラメーカーの下方修正が止まらない。
ニコンは第2四半期決算で、通期業績予想を下方修正。売上高6200億円(前回予想より500億円減)、営業利益200億円(同320億円減)、純利益170億円(同250億円減)とした。
主な要因は映像事業の不振で、前回予想より売上高250億円減、営業利益220億円減。これにより、映像事業の通期営業損益予想はマイナス100億円(前期比320億円減)。同事業(映像カンパニー時代含む)で初の赤字となる。通期販売台数予想は、レンズ交換式デジカメ、交換レンズ、コンパクトデジカメいずれも10万台ずつ下方修正した。
「限られたパイの奪い合いがますます激しくなっている」「ミラーレスへの移行が遅かった」。馬立稔和社長兼CEO(最高経営責任者)は11月7日の会見で弁明に終始した。
デジカメメーカーでは他に、キヤノンも今期3度目の通期業績予想の下方修正をした。下方修正はなかったものの、富士フイルムホールディングス、オリンパスも厳しい事業環境だと認める。
スマートフォン内蔵カメラの高機能化や中国景気減速などを背景に、デジカメ各社は底が見えない市場減少に戸惑っている。