志望校は東大!
高校2年生になった私は、何を思ったか無謀にも、東京大学を目指すことに決めました。当時の私の成績からすると無謀としか言えない挑戦でしたが、周囲からは「そのうち、あきらめるだろう」と思われていたらしく、特に反対もされませんでした。
今考えても無謀な挑戦でしたが、当時の私はそれなりに真剣で、高校2年生の冬ごろから本格的に受験勉強を始めました。
文系の私立大学を受験する場合は、英語、国語、社会(日本史、地理など)の3科目で受験できる学校が多いのですが、東大の文系では、センター試験と2次試験の両方に数学が課されるので、合格するためには苦手な数学をなんとか克服しなければいけません。
そこで、私は評判の良い分厚めの数学の問題集を買ってきて、それを毎日コツコツ解きました。それは、現在でも評判が良く(実際に質の高い問題集だと思います)、「これを1冊マスターすれば文系のどの大学にも入ることができる」と言われた問題集でした。
「これを1冊全部解けば数学が得意になるはずだ」
こう信じて私は毎日少しずつ解き進めました。なんとか解き進めて、ようやく問題集の3分の2が終わるぐらいまで辿り着いたのですが、一向に数学の成績は上がりませんでした。
「そんなはずはない。いまに数学の成績は上がるはず」
そう思いながらも1冊なんとか解き終えることができたのですが、数学の成績は全く上がりませんでした。上がらないどころか、以前より悪い点数を取ってしまうことさえありました。
「おかしい。こんなに努力して必死の思いで全問解いたのにどうして数学の成績が上がらないんだ?」
やりきれない気持ちを抱えながらも、現実に数学の成績が上がらないことに対して、このままではいけないと思い、別の対策を模索せざるをえない状況に追い込まれました。