落ちこぼれの私が、数学を得意になったわけ
このように、算数・数学が得意だとメリットを得られるわけですが、かくいう私も、中学生から高校3年生の夏ぐらいまで、数学をかなり苦手にしていました。
中学1年生で習う方程式や、比例・反比例あたりまでは、なんとかついていけたのですが、中学2年生で1次関数や、図形のさまざまな証明問題などを習ううちに、わからないところが多くなり、気づけば、主要科目のなかで、一番の苦手科目になっていたのです。
私がどれだけ数学が苦手だったかを象徴するようなエピソードがありますので、恥ずかしながらお話しいたします。
私は関西の私立中高一貫校に通っていました。そのため、中学校から高校には原則的にはエスカレーター式で進学することができたのです。
私の母校は高校からの編入のある学校だったので、形式的に高校の入試問題を解いて、どのくらいの点数が取れるかという試みが中学3年生の終わりごろに生徒全員を対象に行われました。
私は実力テストにはあまり自信がなかったのですが、それほどひどい点数にはならないだろうというような軽い気持ちでその試験を受けました。
その試験が終わった数日後、私は担任の先生に、
「放課後に教室で待っているから来るように」
と厳しい口調で言われました。何だろうと不安になりながら教室に行くと、がらんとした教室の真ん中に、先生が1人座って待っていました。
嫌な空気に緊張しながら先生の対面の椅子に座りました。すると先生は1枚の紙切れを机に差し出しました。その紙切れには
「163」
という数字が書かれていました。
先生:「この数字何かわかるか」
私:「わかりません」
先生:「この前の高校入学試験の順位や」
学年の人数は165人。つまり下から数えて3番という非常に悪い成績をその高校入学試験でとってしまったのです。
後にテストの成績表を見ると、数学が特に悪い点数で、そんな順位になってしまったことがわかりました。その後なんとか(学校側の温情で?)学校に残ることができましたが、数学は高校に進学してからもずっと苦手なままでした。