小学校の算数でも高評価!?
でも、このAさん、ただ、かけ算の暗算をしただけです。微分・積分などややこしい計算をしたわけではありません。
実際、「数字に強い」というのは、暗算ができたり、「~%」「~割」などの割合の計算に強かったりと、それほど高等な数学ではなく、小学校の算数で習うことにいかに習熟しているか、で判断される場合が多いのです。
たとえば、飲み会のときに会計が17,355円で、5人で割ると1人何円かという計算で、1ケタまで瞬時に暗算できる人がいたら「あの人は数字に強いな」という印象を持たれるでしょう。
割り勘の計算は高等な数学ではなく、小学校で習う割り算なのに……。
数学で論理トレーニング!
次に、もう一つのメリットである、「論理力が鍛えられる」についても見ていきましょう。
算数と数学の問題を解くとき、「式Aだから式B、式Bだから式C」と論理的に段階を踏んで答えを求めます。
あらゆる問題を解く際に、論理力が必要なわけですが、特に論理力を一番鍛えることができるのは数学の証明問題です。
仮定をもとに結論までの道のりを筋道立てて説明するのが証明問題です。証明問題では、論理的にきちんとつながっていないと正答とは認められません。
学校教育においては、中学2年生で習う数学に「文字式の利用」「三角形の合同を証明する問題」という単元があり、そこで初めて本格的に証明問題を習います。
それまで論理に関するトレーニングをしてこなかった中学2年生はこれらの単元で苦戦することが多いのです。
論理的な思考ができるようになると、それをもとに、説得力のある発言ができたり、説得力のある文章を書いたりすることが可能になります。そのため、現代に生きる社会人にとって、論理力はなくてはならないスキルのひとつであると言えるでしょう。