その理由は、「採用/PR活動へのコミットメント」にあると思われます。創業期の企業にとって、採用/PR活動で未来を担う人材を採ることは最優先課題の1つです。
 その際、最も採用のキーになるのは、大半のケースで創業社長の魅力でしょう。なりふりはかまっていられない。創業社長自らがスポークスマンとなり、社内だけではなく、社外に対しても情報を発信せざるをえない。したがって、社外に対しても情報がオープンになる傾向が強いのです。

 反対に、2代目以降の経営者は、ブランドが十分にできた状態で経営を引き継ぐケースも多く、結果的に「社内に対してはコミュニケーションをとるが、社外には発信しない」場合でも、十分にうまくいく可能性があるのです。
 これらの要素が、社長が社外に情報発信するかどうかの違いを左右します。つまり、「好き嫌い」と「必要か不要か」という観点で決まるのです。

「人気は高いが働きがいが低い企業」の傾向とは?

 反対に「経営開放性」(オープネスの3つの要素のうちの1つ)が著しく低くなるケースは、言わずもがな、図の③と④になります。とくに最も従業員スコアを下げるのは、③(社外にはオープンだが社内には閉鎖的)です。つまり、社外PRでは「カッコイイこと」を言いながら、社内では実態が異なる、というケースです。