「人生100年時代」と言われる今。ひと昔まえは、おばあさんと言われていた60歳が、美容をはじめ様々な技術の進歩で、ものすごく若くなっています。これまでの上の世代は、正直参考にならない。では、今をどんな風に生きて、どんな風に楽しめばいいのだろう?そこで、同世代女性永遠の憧れモデルである黒田知永子さん(現在58歳)と、『服を買うなら、捨てなさい』でお馴染みのスタイリスト地曳いく子さん(現在60歳)に、『おしゃれ自由宣言!』の中から、今のアラカン(60歳)のための、あたらしいおしゃれと暮らしについてお話しを伺いました。今回は、地曳さんの暮らしの愛用品をご紹介します。

器は使ってこそ!
高価なものも普段使いに

お料理が好きなので、器も大好きです。和食器なら、江戸好みのあっさりしたものや粉ひきの器などが多く、洋食器ならエルメスのテーブルウエアと無印良品のシンプルなもの、旅先で購入した一期一会のものなどをミックスして愛用しています。高価な食器は、大切にしすぎて特別な時のためにしまい込んでしまいがちですが、洋服と同じで、やはり器も使ってこそ。

私も以前は、お客様用と普段の器を分けていて、高価なものほどしまったままにしていました。ですが、震災でそれらがかなり割れてしまったのを機に、しまっておいても仕方ないと思い、エルメスもバカラもどんどん普段の食卓に登場させるようになりました。エルメスの赤い柄は、藍色の和食器との相性もよく、煮物や焼き魚なんかも素敵に見せてくれます。もちろんイタリアンやスイーツにも合います。

和洋折衷! 藍色の器をコーディネート

高価なものほど、普段使いするべきPhoto by 木村慎(HERITIER)

藍色の器が好きです。伝統的な藍色の器に、現代的なエッセンスのものをミックスしてコーディネイトするのが私流。オクラとブドウを載せた2つの赤い柄のお皿と、その間の花のような模様の2枚の藍色のお皿はエルメス。和食器と合わせても何の違和感もなく馴染んでくれます。

金色のドットがついた二つの器は、アーティストの村上周さんのもの。30~50年前の絵付けが未完成な有田焼に金彩を施したもので、お気に入りのひとつです。左下に重ねたシンプルなお皿は無印良品。シンプルでとても合わせやすく重宝しています。

旅先で買った器たち

高価なものほど、普段使いするべきPhoto by 木村慎(HERITIER)

旅に出かけるとついつい器を買ってしまうタイプです。そんな海外で見つけた器を並べてみました。スペインやハワイ、ベトナム、そしてパリやロスなどなど。海外では、器屋さんだけではなく、土産物店、雑貨店、そしてセレクトショップなどもセンスのいい器と出合えるので、必ずチェックするようにしています。

こうしてあらためて見てみると、植物モチーフやグリーンのものが多いですね。グリーンも藍色と相性がいいので、手持ちの器たちともミックスしやすく、またお料理もおいしく見える使い勝手のいい色だと思います。

洋食器と和食器の垣根を外してどんどんミックスすると楽しいですよ。
新しい発見があって、いつもの食事が何倍も有意義なものになります。