実は、EU加盟各国はBEV販売目標を2014年ごろに決めていた。ドイツとフランスは100万台、イギリスは160万台、オランダやデンマークは20万台という数値が2020年の目標だった。ところが、どの国も達成は難しい。EU23カ国のBEV販売比率は平均2~3%だ。この点についてある調査会社は「BEV普及台数は国民の平均所得に比例する」とコメントしている。

2020年代の電動車販売は
どうなるのか

 では、2020年代の電動車販売はどうなるのだろうか。2019年3月までに有力シンクタンクなどが発表したデータを見ると、2030年時点での全世界販売予測には大きな開きがある。最も強気の予測は3300万台、最も弱気の予測は730万台である。最大と最小、この2つの予測を除いたシンクタンク8社の予測は平均で1340万台だ。

 ところが、2019年6月に中国でNEVが失速し、7月以降は前年同月比マイナスになった実態を受けて、いくつかの予想見直しが発表された。また、VW(フォルクスワーゲン)が2019年11月に量産を開始したBEV、ID3の今後の量産見通しについては「予想よりも少ない」とのコメントが多い。

 中国政府は各メーカーが達成すべきBEV販売比率を引き上げる方針を打ち出したが、販売の現場からは「おそらく無理だろう」との声が上がっている。日本のシンクタンクは2030年時点でのBEV世界販売台数は「全自動車販売台数のせいぜい10%強」と予測している。米国の有力なシンクタンクは2030年の世界自動車需要を1億1200万台、そのうちBEVは1300万台程度と見ている。BEV比率は11.6%だ。これが現在の「平均的な予測」である。

 では、残りの販売台数はどんなパワートレーンを積むのか。それはガソリンエンジンとディーゼルエンジン、そして電動モーターでエンジンをアシストする何らかのハイブリッド車である。何らかのハイブリッド車の販売台数は4700万台程度、全体の40%強になると予測されている。

(報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)

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