中国のIT大手が自動車分野に
進出している最大の理由

 カーシェアやライドシェアといったサービスで使用する車両については、トヨタがウーバーと提携したように配車アプリを持つ企業と自動車メーカーとの間の提携が進んでいる。さらにテンセントのように決済アプリの強みを活用してカーシェア分野での存在感を増している例もある。滴滴出行は「トヨタのようなメジャーグループと提携したい」と公の場でアピールし、実際にトヨタおよびソフトバンクグループとの資本提携にこぎつけた。トヨタとホンダはバイドゥとも提している。

 中国のIT大手が自動車分野に進出している最大の理由は、優れた資金調達力である。そのベースとなるのは企業の価値を表す時価総額だ。冒頭で紹介したアリババなど3グループは時価総額をバックに1000億円規模の資金調達をあっさりとやってのける。とはいえ、中国経済の減速と不透明な中国の金融収支を踏まえて、「すでにピークはすぎた」と見る専門家も少なくない。

 この2年間ほどは中国資本がCASE分野で大暴れしてきた。これは中国政府が狙う自動車強国を実現するための手段でもあった。中国企業はコンピュータ、スマートフォン、家電といった分野で世界のメジャー企業の仲間入りを果たした。

 現在の中国政府が取り組みを進めているのは、人材引き抜きであり、ソフトウエアだけでなくハードウエアの分野でも高額の報酬を武器に海外からエンジニアの獲得を進めている。

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(報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)