なお、「建て替え」と「マンション敷地売却」の違いを整理すれば下表の通りだ。

「建替え」と「マンション敷地売却」の違い
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 なお、社会資本整備審議会の小委員会において、マンション敷地売却決議に対応できるマンションの要件緩和が議論されているので、今後はこの分野について法改正の可能性もあることを付言しておく。

マンション終活を
阻む課題とは

 マンションの終活を実現する上で、大きく3つの課題がある。

 第一の課題は、「区分所有者の無関心」である。

 マンションは住戸の独立性が高いため、「周りと付き合いたくない人」がマンションの購入を選択する傾向がある。

 他の区分所有者と付き合うか否かは個人の自由だが、このことが結果として「管理への無関心」となり、管理不全による建物の老朽化の原因にもつながることが多いのも事実である。

 そうした区分所有者が多いマンションでは管理組合総会の出席率も低くなりがちであるため、5分の4の同意で決議することが困難となることも考えられる。したがって、建物の再生が必要であることを区分所有者に理解してもらうための工夫が必要だし、そのために時間もかけなければならない。

 第二の課題は、「終活の必要性をめぐる区分所有者間の意見対立」である。

 建物が下の写真のようなひどい状態であれば話は別であるが、通常は建物の残存耐用年数を明確に示すことができないため、築年数が一定以上経過したマンションでは、建物を生かした再生か終活かについての意見対立が生じやすい。

 この問題に対応するには、専門家等の意見も聞きながら相互に意見を出し合い議論をすることになるが、意見が対立するなかで区分所有者間に大きなあつれきが生じることもある。