当時の坂口力厚生労働相は国会答弁で、「7割給付であります以上、もし医療費にさらに掛かるということになってまいりますと、これは保険料の方で見ていただかざるを得ないということでございます」と述べている(2002年7月11日 参議院厚生労働委員会における中原爽議員の質問に対する答弁)。

健保組合や協会けんぽ
保険料率はすでに9~10%

 当時の健康保険料率は、健康保険組合の平均で7%台半ば、協会けんぽで8%台前半だった。

 その後、保険料率の引き上げが続き、現在、健康保険組合は平均9.2%であり、10%以上の組合も2割超にのぼっている(2019年3月、健康保険組合連合会調べ)。

 また、協会けんぽは公費の投入を受けながら、2012年以降、平均10%の料率が続いている(協会けんぽは2009年秋より都道府県単位保険料率に移行)。

 年金では、厚生年金や国民年金の保険料率は現在、固定されているのに対し、健康保険と介護保険の保険料率は、引き続きの上昇が見込まれる。

 高齢化が進んでいく以上、保険料率のさらなる上昇は避けられない。だが、一定の限界というものはあるだろう。

 2002年当時の坂口厚労相も、「しかし、これ(筆者注:保険料負担の引き上げ)にも限界というものがあるんだろうというふうに思っておりますが、我々の試算では2025年を予測いたしまして、2025年で大体どのぐらいになるかということを見ておりますが、少なくともここで、保険料としましては約10%、この辺のところでは抑えなきゃならないだろう」と 国会で答弁している。

 つまり、平成14年改正法附則第2条を制定する際に想定していたと思われる保険料率の引き上げ余地は、2025年を待たずして、もはやほぼ消失してしまっている。

 状況が根本的に変わっている以上、ゼロベースでの国民的議論が求められているはずだ。

実効給付率は
70%を大きく超えている

 現在、医療機関の窓口での自己負担割合は、70歳未満は3割、70~74歳は2割、75歳以上は1割である(なお義務教育就学前は2割だが、多くの自治体が税を投入して無償もしくは低率の負担としている)。

 ただ、高額療養費制度があるので、実効的な給付率は附則第2条が求める70%を大きく超えている。