でも、あなた自身が、「主体・行動型」のクセが強い場合、イライラするかもしれませんね。だってあなたも、他人より先にしたいと思うクセがありますから。

 でも大丈夫です。

「返報性の原理」という心理学の法則があります。これは、「相手から何かをしてもらった場合、人はなんらかの『お返し』をしなければならないという感情を抱く」という心理のことです。

 まずは、相手に先にさせてあげる。いいたいことはいわせてあげる。納得がいかないなと思うことがあっても最後まで相手の話を聞いて、相手が話し終えるまで待ってあげる。

 そうすると、相手はいいたいことをいえたので気持ちがスッキリしますし、自分ばかりしゃべってしまったけれど、これでいいのかな……という心理が働きます。そうすると、あなたにもチャンスが巡ってくるというわけです。

 以前、米フォーブス誌に、「相手に最初に話させて、思いのたけを発散させます。そこから交渉に有利な価値ある情報を得ることができます。それで相手より少し有利な立場に立つことができます」という記事がありました。

 つまり、相手に先に話をしてもらうことで、相手が何を考えているのかを引き出し、より多くの情報を持つことができるようになるのです。

 そうすることで、提案や交渉がしやすくなり、自分に有利な方向に話を誘導することができるというわけです。

 まさに「負けるが勝ち」。こういうタイプに対しては、先を譲ることが自分を有利にすることにつながるのです。

 あらゆる自己啓発本の原点ともいえる、あの有名なデール・カーネギーの『人を動かす』(創元社)のなかでも、

「相手を説得しようとして、自分ばかりしゃべる人がいる。相手に十分しゃべらせるのだ。相手のことは相手が一番よく知っている。だから、その当人にしゃべらせることだ。

 相手の言うことに異議をはさみたくなっても、我慢しなくてはいけない。相手が言いたいことをまだ持っている限り、こちらが何を言っても無駄だ。大きな気持ちで辛抱強く、しかも、誠意を持って聞いてやる。そして、心おきなくしゃべらせてやるのだ」

 と、相手の話を聞くことの重要性を説いています。