「自分の工夫や努力で達成するという経験」が子どもを伸ばす

 私の所では、一人ひとりの子どもを、その家族と共に育てています。私は、子どもたちを遠慮なく叱ります。というのも、難関校に合格するスキルを与えることが終着点だとは考えていないからです。

 最も重要なのは、「できなかったことが、自分の工夫や努力によってできるようになるという経験」です。これを積ませることが、その子の生きる力となるわけで、男の子も女の子もそこに違いはありません。

 私の所には、無事に中学受験を終えて退塾したのに、また戻ってくる子どもたちもたくさんいます。その点では、単に学習テクニックを学ぶだけでなく、人間として成長できる場になっていると私は自負しています。

 また、子どもたちに「学習習慣」が身についているのが、なによりも嬉しいことです。

 学習習慣は一生ものの力です。幼少期から勉強する習慣が身につけば、大学受験も、働き始めてからの勉強も苦になりません。人生100年時代といわれる今、柔軟なキャリアチェンジを可能にするのは学習習慣です。

 それは決して一朝一夕では身につかない、その後の人生における最大の資産となるでしょう。自ら学び、成長できる習慣は、持って生まれた頭の良し悪しに左右されず、社会をたくましく生き抜く力となるはずです。