納豆やみその摂取量と死亡率が逆相関――JPHC研究
発酵性大豆食品を多く食べる人ほど死亡率が低いというデータが報告された。ただし、非発酵性の大豆食品も含めた解析では、関連が有意でないという。国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループの研究によるもので、詳細は「BMJ」1月29日オンライン版に掲載された。
今回の研究の対象は、1990年と1993年に全国11カ所の保健所管轄区域に住んでいた40~69歳の成人のうち、がんや循環器疾患の既往がない9万2915人(うち男性4万2750人)。大豆製品の摂取量で全体を五分位に分け、2012年まで平均14.8年間追跡した。
研究開始から5年後に行った食事調査アンケートの回答から、総大豆食品、発酵性大豆食品(納豆とみそ)、非発酵性大豆食品、および豆腐の摂取量を計算し、総死亡(全死因による死亡)、がん死亡、循環器疾患死亡などとの関連を性別に検討した。解析に際しては、年齢、地域、肥満度、喫煙・飲酒・身体活動習慣、糖尿病・高血圧、健診受診状況、女性の月経の有無・ホルモン剤の使用、食品摂取状況、総エネルギー摂取量を統計的に調整し、影響を取り除いた。
その結果、総大豆食品摂取量と総死亡リスクの関連については、有意な関連が認められなかった。一方、発酵性大豆食品の摂取量との関連は、男性(傾向性P値0.05)、女性(同0.01)ともに摂取量が多いほど総死亡リスクが低下するという関連が認められた。
大豆食品の細分類別の検討では、女性において、納豆(同0.001)、および、みそ(同0.03)の摂取量が多いほど総死亡リスクが低い傾向があった。しかし男性では有意な傾向が見られなかった。豆腐に関しては男性、女性ともに有意な傾向が見られなかった。