「没頭力」を勉強に活かす3つのメリット

 では、没頭する力=「没頭力」を手に入れたら、どうなるでしょうか?

 何かに没頭したときの経験を、思い出してみてください。やる気がみなぎり、超集中している状態にいるでしょう。

 人間の脳はポジティブな気持ちで活動しているときほど、活発に働くと言われています。

 そもそも集中が途切れることがありません。

 そのような状態になると、3つのメリットが得られます。

 1つ目は、「最短で結果が出る」ことです。

 没頭していると、自分が持てる時間を最大限に使うようになります。集中力が高い状態をキープしているので、より知識を吸収できるうえ、脳も活発に働いているので、記憶力もアップします。

 また、常に意識が勉強に向いているため、必要な情報もどんどんキャッチできるようになります。そうなれば、当然成績は上がります。遠回りせず、最短距離で確実に結果に到達できるのです。

 誰もが経験したことがあると思いますが、「やらなければならないこと」はついつい後回しにしてしまうのが人間という生き物です。

「やらなければならない」という「have to」から、「自ら進んでやりたい!」と思える「really want to」の状態に自分を持っていくことで、最短距離での目標達成が可能になります。

  2つ目は、「1日が27時間になる」ような感覚を得られることです。

 今、自分が没頭している勉強にもっと時間をかけたいがために、勉強以外の時間の使い方を工夫するようになります。

 たとえば、夕食を食べるのに30分かけていたのを25分にする、テレビを見ていた時間を全部勉強に充てるなど、より効率的に時間を使うと、1日の時間が延びたような感覚になり、24時間が27時間くらいに感じられます。

 勉強にのめり込んだ結果、勉強時間が8時間から15時間に延びた受講生もいました。その人からしたら、1日が31時間に感じられるかもしれません。

 没頭しているときは、時間の密度が濃く、そういう意味でも長く感じられます。また、新しい知識に触れているときも時間は長く感じられると言われています。歳をとるほど時間が経つのが早く感じられるのは、新しい情報がどんどん少なくなってきているからなのです。

 3つ目は、「努力を努力と思わなくなる」ことです。

 私は現在、競技かるたの名人位についています。競技かるた日本一ということで、「どんな練習をしていたんですか?」と聞かれることが多々あります。

 小学校のときから毎日いろいろな練習をしていたのを伝えると、「すごい努力家なんですね」と、よく言われます。ですが、自分では努力をしたつもりはまったくないのです。

 楽しくて楽しくてしかたがなくて、続けていただけなのです。

「努力」という言葉には、「つらい」「苦しい」というイメージがつきまといます。確かに、スポーツなどの肉体的な練習はきついですが、かるたや将棋のような頭脳スポーツに関しては違います。

 ある分野で成功している人の多くは、努力してきたという感覚がなく、楽しいから続けられたのです。

 つまり、それこそが没頭している状態です。

 もちろん努力はありますが、それはつらく苦しいものではなく、楽しくポジティブなもの。だから、努力を努力と思わなくなるのです。

 以上の3つのメリットを手に入れれば、成績が上がらないなんてことはあり得ません。魔法のように思うかもしれませんが、頭のいい人は当たり前に手に入れています。私は、勉強が苦しいとか、難しいなんて一度も思ったことがありません。

 没頭力さえあれば、みなさんもきっと思わなくなるはずです。