社協は全国の自治体にあり、地域のボランティアなど住民が自主的に立ち上げた活動を支援している。その住民団体の名称や関わり方はさまざま。「福祉の森サロン」と命名している板橋区には、昨年6月時点で296のサロンがあるが、同区では「通いの場」には算定していない。

 さらに葛飾区では、シルバー人材センターの活動も「通いの場」として加えている。「いろいろな地域活動を相当に幅広くとらえた」と同区の担当者。別の担当者時代の16年度は箇所数、参加者が共にゼロ、15年度は14カ所、230人だった。その数の違いはあまりにも大きい。

「通いの場」の定義が不明瞭なのに
さらに混乱を深める事態に…

 老人クラブ、町内会、自治会、社協、住民の自主サークル、自治体からの委託事業、NPO法人が手掛ける高齢者の居場所、コミュニティカフェ、認知症カフェ、介護保険の総合事業での通所型サービス――。全国にはいろいろな地域活動がある。内容も趣味や昼食、体操、スポーツ、娯楽、介護など実に幅広い。

 このうち、どれを「通いの場」とするか。自治体によって、あるいは担当部局、担当者により判断が割れている。厚労省が示している「通いの場」は次の4条件である。それは――

(1)体操や趣味活動等で介護予防に資すると自治体が判断した
(2)運営主体が住民
(3)自治体の助成がなくてもいい
(4)月1回以上、活動している。

 以上の4条件を満たせばいい。いわば定義である。ところが、この定義では判断がつかないようだ。多くの自治体は「あいまいな条件なので困る」「介護予防に役立つかどうかは立証できず、判断が難しい」「もっと具体的に示して」と訴える。

 その結果、箇所数や参加者が統計として杜撰な形になってしまった。厚労省は、毎年順調に増えているかのように説明するが、実態は違う。たまたま、新任の担当者がある活動団体を新たに迎え入れたこともあるだろう。その団体が以前から活動していれば、実際は増えていないのに、統計上は増加したことになる。