▼「爆発的に面白い!! 『図工2』の僕が、現代アートに惹かれる理由がわかった」(中原淳氏/立教大学経営学部 教授)
▼「『考える』の前に『観る』がある。『観る』がなければ『考える』もない」(山口周氏/独立研究者)
▼「美術は『思考力』を磨くための教科だったのか!とわかる本」(藤原和博氏/教育改革実践家)
▼「人間の『知覚』と『表現』という魔法の力を解放してくれる一冊!」(佐宗邦威氏/戦略デザイナー)
論理もデータもあてにならない時代、論理・戦略に基づくアプローチに限界を感じた人たちのあいだで、「知覚」「感性」「直感」などが見直されつつある。そんななか刊行され、各氏がこぞって大絶賛するのが、『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』という書籍だ。
現役の美術教師でもある著者が、中高生向けの「美術」の授業をベースに、「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、「自分なりの答え」を生み出し、それによって「新たな問い」を生み出すという「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説している。700人超の中高生たちを熱狂させ、大人たちもいま最優先で受けたい授業とは――?
「スゴい」「ヤバい」しか感想がない人
美術館などでアート作品を見ても、「よくわからない」「『きれい』『すごい』としかいえない」「どこかで見聞きしたウンチクを語ることしかできない」――そんな方が多いのではないかと思います。
端的にいえば、そういう人は「作品をよく見る」ことができていません。自分の感覚器官を駆使して作品と向き合うことは、「自分なりの答え」を取り戻すための第一歩です。
しかし、「作品をよく見る」ことは、意外と難しいのです。作品のタイトルや解説文だけに「答え」を見つけ出そうとしてしまう人がほとんどです。
そんなときにおすすめなのが、「アウトプット鑑賞」です。作品を見て、気がついたことや感じたことを声に出したり、紙に書き出したりしてアウトプットすればいいのです。
どんなあたりまえなことでもかまいません。次々とアウトプットしていくことで、漠然と眺めるよりもはるかに「よく見る」ことができます。できれば、誰かと一緒に「アウトプット鑑賞」をやってみるとさらに面白さが増します。相手の気づきが新たな気づきを生み、自分だけでは思い至らなかったようなことまで考えるきっかけになるからです。
前回の記事では、あのパブロ・ピカソが1907年に描いた《アビニヨンの娘たち》という絵のお話をしました。アビニヨンというのはスペインの地名であり、5人の娼婦が描かれています。
キャンバスに油絵具で描かれた大作で、数あるピカソの作品のなかでも、とくに歴史に残る名作とされています。サイズはおよそ縦2.4メートル、横2.3メートル。日本の一般家庭の天井にも達しそうな大きさの絵画です。