新型コロナに悲鳴上げる「引きこもり」の人々、生活崩壊の内情とは列島を席巻する新型コロナウイルス騒動は、引きこもり状態にある人の生活にもしわ寄せをもたらしている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

引きこもる人々も戦々恐々
新型コロナがもたらす生活苦

 列島を席巻する新型コロナウイルス騒動は、引きこもり状態にある人などの弱者の生活にも、さまざまなしわ寄せをもたらしている。

 買い占めが続くマスクや、そもそも品不足自体がデマであるトイレットペーパーなど、「怖くて店まで買いに行けない」という当事者からの悲鳴のようなメールは、筆者の元にも寄せられてくる。

「一般の人に比べると、引きこもりする人の大半は、開店前の朝に出かけることとか、大行列に並ぶことが苦手だから、買い物で不利益を被るのではないか」

 そう心配する40代の女性当事者の声もあった。

 この話を聞いたとき、筆者は2011年の東日本大震災後、学校の避難所で見聞きした話を思い出した。その避難所には、全国から支援物資が送られてきていた。ところが、避難所を取り仕切るリーダーは、支援物資を配布する際、校内放送をかけて被災者を並ばせていた。

「物資を配るときに並ばせるのは、高齢者や足の悪い人などの弱者は並ぶのに時間がかかるから、アンフェアなのではないか」

 ある被災者がそう意見を言ったところ、「世の中はな、弱肉強食なんだ」とリーダーは烈火のごとく怒ったというのだ。

 普段から外出が苦手で、ネットスーパーがライフラインとなっている50代の引きこもり主婦Aさんは、こう困惑する。

「昨日の時点で、話題のマスク・トイレットペーパー類の品切れのみならず、米・水・冷凍食品がほぼ品切れです。 運送の人員も足りないらしく、配達時間が締め切り前に終了します」

 Aさんによると、 あと1週間同じ状態が続くようなら、「詰み」の状態になるという。

「私は、他の方のように開店前のスーパーに並ぶことなどはできません。ネットスーパーが正常に動いてくれないと食品が家になくなります。毎日、出前を取るわけにもいきません。食費がかかりすぎるし、コロナの危険性も高まります。水・紙類も同様に不足します。並んで買うわけにいかないんです」