韓国・ソウル市で消毒剤を撒く防護服姿の韓国軍兵士(3月9日撮影)韓国・ソウル市で消毒剤を撒く防護服姿の韓国軍兵士(3月9日撮影) Photo:Chung Sung-Jun / gettyimages

新型コロナウイルスが
世界経済の大きな不透明要因になっている

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が、世界経済の先行きに大きな不透明要因となっている。それに伴い、株式や為替などの金融市場は不安定さを増している。11月に大統領選挙を控えた米国では、FRBが緊急金利引き下げを行って先行き不安の払しょくに努めている。

 そうした状況下、韓国では大邱(テグ)広域市を中心に、感染の拡大ペースが勢いを増している。国民の間から、「文在寅(ムン・ジェイン)政権の政策では感染を食い止めることが難しい」との声も上がっているようだ。感染拡大により、韓国ではヒト・モノ・カネの動きが急速に停滞しはじめており、今後の経済活動の低迷が懸念される。

 現在、韓国最大の輸出先である中国経済は大混乱に陥っている。中国では、生産の停滞から中小企業を中心に資金繰りへの懸念が高まっている。それが世界的なサプライチェーンの混乱につながり、世界全体で企業の業績見通しも悪化している。

 資材を海外から輸入し、生産を行って製品を輸出してきた韓国経済は苦しい状況を迎えている。新型肺炎の感染ペースなどがどう落ち着くかなどは見通しづらい。今後の展開次第では世界経済全体の不安定さが増し、金融市場がさらに厳しい状況に直面するリスクは軽視できない。