『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』などのベストセラーで知られる精神科医・作家の樺沢紫苑さん。
現在、著書『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』が人気沸騰中の精神科医Tomyさん。

ふたりは精神科医でありながら、Twitter、Facebook、YouTube、ブログなどを通じて、人生のアドバイスを発信し、多くの読者を獲得しているという共通点を持つ。

今回は、そんなふたりが、SNSによる情報発信を始めたワケ、アドバイスをするときのスタンス、そして読者から寄せられたお悩みにも直接回答!
濃密なスペシャル対談をお届けする。

Q.前職のパワハラが忘れられません……

職場でのパワハラが原因で転職し、半年が経ちました。前職に縁がある駅の近くを通ったりすると心がざわついたり、夜にふと当時の苦しい思いが頭に浮かぶこともあります。なぜ自分だけこんな思いをしなければならないかと悔しく、泣いている自分がいます。過剰反応してしまっている自分が辛いです。どうしたら忘れることができるでしょうか?

◎樺沢先生の回答

心理学には「ツァイガルニク効果」というものがあります。簡単に言うと、人は達成できなかったこと、中断していることをよく覚えているという現象のことです。

テレビドラマなどを観ていると、一番盛り上がるシーンで「次週につづく」となります。すると、1週間経っても前回のラストシーンをありありと思い出せます。あれが、わかりやすい「ツァイガルニク効果」であり、継続中の案件は忘れないというのが脳の仕組みなのです。相談者がずっと苦しみ続けているのも、こうした現象のせいだと考えられます。

そこで、私がおすすめしたいのは「感謝の手紙を書く」という方法です。怒りや復讐心には、より感情を強化する特性があります。一方、感謝の気持ちを持つと、記憶のしがらみをスッと流すことができます。

ネガティブな過去に対して感謝の気持ちを持つのは難しいかもしれませんが、どんな文面でもかまわないので「自分の精神を強くしてくれてありがとう」などと手紙に書いてみる。手紙は誰に見せる必要もないので、燃やしても捨ててしまってもいいです。

「感謝の手紙」という形でアウトプットすると、イヤな記憶を解消できるはずです。

◎Tomy先生の回答

これは終わっている過去の出来事についての悩みなので、「いかに気持ちを現在に持ってくるか」がカギとなります。

そのためには、過去の出来事の輪郭をハッキリさせるといいと思います。「前にこういうことがあったけど、今は大丈夫」というように、客観視してとらえるということです。

具体的には、友人や家族などを相手に「前の職場にこんなイヤな人がいたんだけど~」などとエピソードトークをすることで、当時の記憶と距離をとれるようになります。

もう一つの方法は、記憶の上書きです。樺沢先生がおっしゃるように「感謝する」ことで上書きする方法もありますし、「今はもう関係ないところにいるから大丈夫」と、自分に繰り返し言い聞かせる方法もあります。そうやって少しずつ現在に気持ちを持ってくるといいですね。

【次回へ続く】