『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』などのベストセラーで知られる精神科医・作家の樺沢紫苑さん。
現在、著書『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』が人気沸騰中の精神科医Tomyさん。
ふたりは精神科医でありながら、Twitter、Facebook、YouTube、ブログなどを通じて、人生のアドバイスを発信し、多くの読者を獲得しているという共通点を持つ。
今回は、そんなふたりが、SNSによる情報発信を始めたワケ、アドバイスをするときのスタンス、そして読者から寄せられたお悩みにも直接回答!
濃密なスペシャル対談をお届けする。
Q.態度の怖い店員、どうしてこんな人がいるんでしょうか
先日、お寿司屋さんに行ったら、板前さんがとっても怖くて、笑顔は一切なし。「ワサビください」と言ったら、「小皿!」と一喝されるし、客商売としてありえないくらいでした。なんでこうなるんでしょうか? 理由が知りたいです。
◎Tomy先生の回答
「なんでこうなるんでしょうか?」という質問に、ストレートに答えるとするなら、「それで上手くいってきたから」です。人は、自分がよいと思ったほうに進化・適応していく生き物です。この板前さんは、無愛想な態度をとることで、お客さんからゴチャゴチャ言われることもなく、気持ちよく仕事ができきたのかもしれません。
職場で意地悪をする人にしても、過去に自分がイジメられそうになったときに、逆にイジメ返すことで上手くいった経験に、味を占めた可能性はあります。そういう生き方は自分とは相容れない、共感できないと思ったら、近づくのをやめればいい。そういう単純な話だと思います。
◎樺沢先生の回答
「職場にヘンな性格の人がいるのですが、なんでそうなるんですか?」といったように、「なぜ?」を問う相談は結構多いです。「なぜ」を問うのは、正体不明なものに対する“不安の表れ”です。
そこで重要になるのは、「ToDoを決めること」です。悩むというのは「どうしたらいいかがわからない」という状態であり、ToDo(やるべきこと)が決まれば、あとは「やるか、やらないか」の選択となります。
このケースで言えば、「もうこの店に行かなければいい」というToDoが明らかなのですが、相談者は怒りの感情に支配されているから、そんな単純なことも見えなくなっています。
自分で調べてもToDoが見つからないときは、友人や家族に相談して客観的に教えてもらう。ToDoが明確になれば、どこに進めばいいかがわかるので、人は安心できるはずなんです。普段から、「自分はどうしたらいいか」を意識しながら生きていけば、もっと悩まずに行動できるんじゃないでしょうか。
【次回へ続く】