この論文の付随論評の共著者で米ケース・ウェスタン・リザーブ大学のHeidi Moawad氏は、「多くの人々にとってモバイル端末はなくてはならない存在であることを考慮すると、この研究結果は極めて重要な問題を提起したといえる」と話す。また、「この結果を受けて、スマホの使用時間を減らそうとする人もいるかもしれない。しかし、多くの人は、たとえ頭痛に苦しんでいても、スマホの使用頻度を控えはしないだろう」と述べ、むしろ頭痛や目の疲れ、首の痛みといった問題に悩まなくても済むように、スマホに技術的な改良が加えられていくのではないかとの見方を示している。
一方、米ノースウェル・ヘルス頭痛センターのNoah Rosen氏は、携帯電話やスマホはまたたく間に普及し、通話だけでなくショッピング、メールの送受信、音楽やメディアの視聴など、さまざまな用途で使用されるようになったことを述べ、「スマホの使用頻度が上昇し続けていることを踏まえれば、手根管症候群から脳腫瘍まで、さまざまなリスクを考量することは重要だ」との見解を示している。
ただし、今回の研究に関しては、頭痛や片頭痛、またそれらの治療へのアクセスに影響する可能性がある教育レベルや社会経済的地位などの要因が考慮されていないことを指摘し、「こうした点を考慮しない限り、疑問は解明されないままだ」と話している。(HealthDay News 2020年3月4日)
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