このほかにも、皮膚に何かできものが見つかった場合、オンライン受診勧奨を受けることで「この発疹の形状や色の場合、蕁麻疹が疑われるので皮膚科を受診してください」と助言を受けられる。オンライン受診勧奨を受けることで、かかりつけ医選びの参考になるかもしれない。

(3)の「遠隔健康医療相談」とは、すでに知られている「こども医療電話相談事業(#8000、夜間や休日の子どもの症状にどのように対応したらいいか、病院を受診したほうがいいか迷ったとき、小児科医師や看護師等が電話で相談対応をする)」や産業医の面接の指導や相談等、学校で複数生徒が嘔吐した場合の対応法の相談等になる。

オンライン診療の課題と
今後の普及について

 オンライン診療の課題は、まず、「診療報酬(診療時の病院への対価)が外来診療より低いことが普及を阻む要因となっている」「せめて外来(対面)診療と同じ点数(価格)にしてほしい」と取材を受けた人は口を揃えて言う。

 株式会社メドレー執行役員の田中大介さんは「オンライン診療は移動時間や待ち時間の通院負担が軽減されるため、患者にとってメリットがあり、医療体験の満足度が向上します。一方で、医院経営という観点では導入メリットが少ない診療報酬体系になっています。患者と医療機関、双方にとってメリットのある状態が普及への鍵になるのではないでしょうか」と話す。

 また、現在は保険診療でオンライン診療料を算定することができる疾患とそうでない疾患がある(*:下の一覧表参照)。黒木医師は「オンライン診療料を算定できるかどうかを疾患名で決めるのではなく、患者の病態によって、それが適切かどうかを医師が判断し、患者さんとの合意で決まることが本来の姿だろう」と指摘する。

 MICIN(マイシン)の代表取締役CEOの原聖吾さんは「患者がより便利にオンライン診療を使うためには、電子処方箋の普及も求められています。早期のガイドライン改訂が期待されます」と話す。

内閣府主催「規制改革推進会議 医療介護ワーキンググループ」にてMICIN(マイシン)代表取締役CEO原聖吾氏が「オンライン診療/服薬指導の現状と規制改革がもたらす医療の未来」で発表した内容から掲載内閣府主催「規制改革推進会議 医療介護ワーキンググループ」にてMICIN(マイシン)代表取締役CEO原聖吾氏が「オンライン診療/服薬指導の現状と規制改革がもたらす医療の未来」で発表した内容から掲載 拡大画像表示

 医療機関の広報コンサルタントをしている、株式会社メディエンス代表取締役の池上文尋さんは「オンライン診療の技術はすでに普及されているものですが、診療報酬が低く、医療機関への導入はあまり進んでいません。今後、さらにスマートホーム、スマート家電等のような新しい技術が医療にも入ってくるなか、医療機関にとっても生き残りの切り札となるでしょう。同時に、昭和的な診療報酬の在り方が見直される転換点がきていると言えるでしょう」と話している。

 厚労省のオンライン診療に関する検討会では慎重論も根強い。だが、オンライン診療は、かかりつけ医を持つこと、および慢性疾患の通院継続につながるため、さらなる普及を期待している。