新型コロナの影響で、「衣食住」のうち「食」の外食や食品、「住」の日用品などの生活用品には強い需要があり、業績好調な企業もある。しかし、「衣」のアパレル・ファッションは総崩れの様相を呈している。

 主要アパレル企業の3月の国内既存店売上高の前年同期比をみていくと、ワールドは58.1%(EC除く)、一方、紙おむつなど衛生雑貨も販売しているしまむらは87.9%。ファストリと同じSPA(製造小売り)で、食品や生活小物の商品群を持つ良品計画は84.7%にとどまった。

 もちろん、レジャーのような不要不急の消費に比べれば、アパレルの減少度合いはまだましではある。それでもファッション性よりも日常着として受け入れられているユニクロですら、「衣」の消費における新型コロナの影響は甚大だ。

 ファストリは今回、新型コロナの影響を折り込んだ通期予想について、売上収益が2兆900億円(前期比8.8%減)、営業利益1450億円(43.7%減)へと大幅に下方修正した。

 売上収益予想は足元の状況を踏まえたものだという。4、5月は引き続き大幅な減収となるが、6月以降は「事業活動が徐々に正常化すると仮定して推計した」(同社)。

 国内ユニクロ事業は、3月の売上高の実績が前年同期比28%減だったことから、4、5月は10~30%減、6~8月は5~10 %減と予想。海外ユニクロ事業は、グレーターチャイナの3月実績が40%減だったことを踏まえ、4、5月は10~40%減、6~8月は10%減~前年並みと業績を予想している形だ。

 海外の状況を見ると、中国では3月10日に習近平国家主席が「新型コロナは基本的に抑え込んだ」と宣言して以降、週を追うごとに売り上げが回復している。オンラインで済むECの売上高はほぼ前年並みの水準だ。

 一方で、東南アジア・オセアニア地域は全244店舗を臨時休業中で、今後も大きく落ち込む見込みだ。

 中国の在庫増も悩みの種だ。国内は春夏商品の発注抑制で、在庫が258億円減少しているが、新型コロナの影響から中国大陸では74億円の増加となった。岡﨑健取締役は「2月以降売り上げが急低下していることから、春夏商品の在庫が過剰になることが予想される」と在庫悪化に言及。売り上げの急低下による財務状況の悪化が懸念される。