あの「通勤」にもメリットが?
新たなルーティーンを作る大切さ

 さて、在宅勤務のメリットとして大きいのは、やはり「通勤がなくなる」ことだろう。朝晩のいまいましい通勤ラッシュに巻き込まれることなく、また起床時間もいつもよりゆとりを持てるはずだ。

 ビジネスパーソンの中には、オフィスまで片道1時間ほどかかる人も少なくない。となると、往復で2時間を通勤に費やしていることになる。仮に、この時間を仕事に回せれば、もっと早く仕事を切り上げられる。あるいは、もっとゆとりを持って仕事ができる。そう考えると、大きなメリットだ。

 一方で、通勤時間がなくなったことを意外にも悲しむ人が一定数いる。そのコメントを紹介したい。

「毎朝、駅まで15分ほどの道のりを歩いて通勤していた。この歩いている時間に、体が起きるし、自分が今日やりたいことをまとめられるし、歩数も増えて健康にもいいし、実は好きな時間だった。それまで考えたこともなかったが、今回の在宅勤務で自分に必要なルーティーンだったと気づいた」(30代後半/営業)

「ぎゅうぎゅう詰めの通勤電車はイヤだけど、毎日同じルートをたどる通勤は、実はいろいろな発見があって楽しい。新しい店ができたり、周りの人たちの服装やツールが変わったり。流行や世相を知る意味でもよかった。家にいると、受動的に入ってくる情報量が減るので、そこが課題」(30代前半/編集)

「通勤がなくなったのはいいけど、結局それに変わるような運動や体操の時間を仕事前に設けている。朝起きて、身支度していきなり仕事をしようとしても難しい。家の中でも少し動くとか、軽い運動をしてから仕事をするようになった」(40代前半/システム)

 通勤ラッシュという部分に絞れば、それが無くなることのデメリットを感じている人はほとんどいなかった。一方、電車以外の部分を含めた通勤については、それが持っている価値を感じている人もいたのだ。

 最近はスマホ内に歩数計がついていることが多い。当然ながら、在宅勤務になってからは1日の歩数がガクンと落ちる。それは健康の意味はもちろん、仕事をする上でのルーティーンとしても実は悪影響になっている人もいるだろう。

 だからといって、この状況で強引に通勤をするのはもちろんNG。となると、今の状況でできることを考えなければならない。通勤はしないが、仕事の前に30分ほどストレッチや運動の時間を作るなど。在宅勤務に合わせた、新しいルーティーンを作っていくことが大切かもしれない。

 新型コロナウイルスにより生活は一変し、つい数カ月前には当たり前だった日常が、今はなんだか輝いて見える。ニュースもネガティブな報道一色で、見ているだけでも気がめいるだろう。

 とはいえ、どう考えてもこの状況は短い期間で終わらない。間違いなく長期戦になってくるはずだ。ということは、在宅勤務を含めた働き方も、決して一時的ではない“改革”が必要になる。

 在宅勤務をした中で気づいたメリットやデメリット。メリットは生かしつつ、デメリットをきちんとつぶしていく、対処していくことが必要になるだろう。こんな状況は、すべての人にとって初めてであり、未曽有の事態。だからこそ、一つひとつの課題と向き合って、じっくり対処していくしかない。そうすれば、きっと課題を解決する方法は見えてくる。