同じく「免疫力が上がる」という理由で、からだを温める(子宮を温めると治るというものも)とよいという話も広がっている。

 体温が下がると免疫力が下がるし、腸内環境が乱れた人は免疫力が落ちる。これは間違いない。しかし逆に○○をやったら免疫力が上がるというものではない。繰り返しになるが、「体温が下がった=免疫力が下がった」は正しいが、「体温が上がった=免疫力が上がる」は誤りだ。

 免疫力を上げるには、バランスよく食べて、適度に運動し、十分な睡眠をとるなどのストレスのない生活を送ることのほか、確実な方法は知られていない。

 だから、スーパーに買い物に行けるほど健康な人がいくら納豆を食べようとも、免疫力の向上にはつながらない。もちろん、納豆自体は栄養価が高く、健康維持に役立つが。

 ビタミン類が効くという噂もある。特にビタミンCとビタミンDを摂取すると免疫力が上がり、コロナウイルスにかからないのだという。

 ビタミンCはコラーゲン合成に不可欠なので、血管の老化を防ぐ。抗酸化作用が強く、初期の風邪が悪化するのを防ぐ。ビタミンDはカルシウムの吸収に必要不可欠。どちらも体に必要だが、免疫を高めるかどうか、抗ウイルス物質として働くかは証拠がない。

 実際、国立健康・栄養研究所から『「新型コロナウイルスにビタミンDが効く」等の情報に注意』という注意喚起が出されている。

 それによれば、「ビタミンDやビタミンCが新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対しても効果があるように謳う宣伝が見受けられますが、現時点ではそのような効果は確認されていません」(同引用)とのこと。

 結局、コロナウイルスを防ぐ手立ては、手洗いと健康管理に尽きるのだ。