なお、上述したような理由からか、米国では院内感染についてはあまりニュースになっていないが、「参考文献3」のように、むしろ、高齢者施設ではクラスター化している例の報告は多く、既に全米の死者の5分の1を占める約7000人が死亡したという。

 米国流の医療を取り入れている香港はどうだろう。「参考文献4」では、6週間のリサーチで香港の43の病院、413人の医療従事者において感染はゼロであった。これは「SARSの経験が生きている」という。

 もちろん、防護服や専用マスクなどの入手の有無の問題もあろう。しかし、ほかに、院内感染を起こしにくくする方法はないのだろうか。

日本の病院は
オープンすぎる

 病院マネジメントの視点で、2つポイントがある。

 1つは日本の病院がオープンすぎることである。これは平時においてはお見舞いも含めオープンな方が良いと思われるが、院内で盗難などの事件が起きることもある。

 例えば、写真に示すようにシンガポールの病院では、外部の人の出入りは厳しく管理されている。

シンガポールの病院、セキュリティは日本よりも厳しい
シンガポールの病院、セキュリティは日本よりも厳しい Photo by Toshiki Mano

 米国などの病院では外部の人の出入り管理に加えて、院内に出入りする企業の従業員に院内感染対策の教育を行い、さらには認証を行っている例も多い。認証制度は2000年くらいから始まり、入館にあたって、医療機関が推奨契約している認証会社の証明が必要になる。