これらは、その後明らかになった事実と同じようなものであると考えられる(例えば、忽那賢志「症状、予防、経過と治療… 新型コロナウイルス感染症とは? 現時点で分かっていること」Yahoo!ニュース、2020年4月11日)。ただ、上記(1)の全乗員・乗客に占める感染者数の比率は急速に上昇したものの20%程度で収まるという事実は、ダイヤモンド・プリンセス号内での事象によって明らかになったことだ。

 仮に上記(1)(3)をそのまま当てはめるとすると、人口1億2600万人の日本において、何もしなければその約20%、2520万人が感染し、感染者の約2%、50万人が死亡するということになる。これは感染症学者による「何もしなければ41.8万人が死亡する」という試算とほぼ同じである(医療崩壊を考慮していない数字。「『対策ゼロなら40万人死亡』 厚労省クラスター対策班」日本経済新聞2020年4月15日)。

 また、50万人が死亡するとなれば、既存の医療体制では治療もままならず、いわゆる医療崩壊を起こすだろう。そうなれば上記(6)のように感染者の5%が重症になった場合、手当を受けることができず、100万人以上が死亡しかねない事態に陥る。さらには、コロナ以外の患者も治療を受けることができず死亡する者が多数ということなる。恐るべき災厄といえる。

新型コロナウイルス感染者数の拡大と
感染者の回復・退院を推計する

 次に、新型コロナウイルスがどのように感染者数を拡大していくか、感染者がどのように回復して退院していくかを考えよう。感染者が退院していく速度が感染拡大の速度よりも早ければ、入院患者は増加せず、医療崩壊は起きない。

 感染者数は前日の感染者数のx倍で伸びるが、このxは人口(乗員・乗客数)に占める感染者数が増大するとともに低下するとする。すなわち、x=b−c×前日の感染者数÷全人口である。推計する式は
感染者数
=a+(b−c×前日の感染者数÷全人口)×前日の感染者数
=a+b×前日の感染者数−c×前日の感染者数の2乗÷全人口
となる。

 ダイヤモンド・プリンセス号の感染者数の推移は、真実の感染者数を表しているわけではなく、検査体制の整備とともに増加した面があり、1人の感染者が複数の感染者を生み出して爆発的に感染する経路を表しているわけではないという批判がある。これはまったくその通りだが、他にデータもないので、感染者は確認されたように増加したと仮定した。また、データのない日はその前日(前々日、前々々日)と同じとした。