なぜ、就活を本気でやった20代はスピード昇進するのか

熊谷 そんな状況だからこそ、僕は「就活に本気で取り組んだ20代はスピード昇進する」と思っているんですよ。

徳谷 それは、熊谷さんが館長を務める我究館の卒業生がスピード昇進されている、というのもありますか。

熊谷 それもあります。入社3年やそこらで子会社の社長に就任したり、50人の部下を抱えるビックプロジェクトを仕切れるようになったり。そんな卒業生がたくさんいます。みんなに共通するのは、その成長の速さです。

徳谷 そうですか、就活の取り組みとスピード昇進には関係があるのでしょうか。

熊谷 これは『絶対内定』にも書いていることですが、就活をやるからには内定をもらうことをゴールにするのではなく、ぜひとも「トップ内定」して、自分をできるだけ高く評価してもらいましょうと指導しているんですね。その目的は、自分の行きたいセクション(部署)に配属されることです。

学生が憧れる部署は、会社の花形であるケースが多く、そこにはエース級の社員がいるわけです。もともと優秀な学生が、優秀な先輩社員に指導されれば、成長は加速するでしょう。会社からも期待され、いったん出世コースに乗ってしまえばスピード昇進する確率は上がります。

徳谷 なるほど、社内でより自分が成長しやすい場所に身を置こうということですね。就活に本気で取り組む20代は、就活に限らず、自分が選んだ機会に対して、主体性が強いともいえますね。
「会社のブランド力に惹かれてとりあえず入社してみました」みたいな人とは、そもそも熱量が違う。

熊谷 そうなんです。目的意識がある人は、熱量はもちろんのこと、社内でのちょっとした行動が全然違うんです。

たとえば、他の同期が尻込むようなリスクの高い仕事を自分から進んで引き受けたり、今の時代、敬遠されがちな会社の飲み会にも積極的に参加したり、みずから面談を申し込んだりして、上司や先輩の考えを聞いたり。主体的に動き、ひたむきにがんばる若者の姿は、自然と応援したくなりますから、彼らにかわいがってもらえて、いろいろなことを教えてもらえるんです。

徳谷 先ほどの機会選択の話にもつながりますね。20代のうちは、難しいプロジェクトに積極的に参加してほしいです。少々失敗したところで責任を問われることはほぼありませんし、成功しても失敗しても、経験そのものから得るものは大きいでしょう。実際各社のコンサルをしていても、仕事の熱量と学習意欲が高い20代は成長が早く、結果的に昇進も早いと思います。