この貴重な余裕時間に
高齢者は「お金の始末」を

 脅かすわけではないが、後から振り返ると「緊急事態宣言を解除した後のしばらくの間」が流行第2波到来前の比較的自由に動くことができる「貴重な余裕期間」となる可能性がある。お金に関するあれこれの中で、今のうちにやっておく方がいい事柄を、億劫がらずに処理しておくことが大事だろう。

 特に、高齢者はコロナウイルス感染症の予後に関して「高リスクグループ」に属する。また、各種の自粛が今後再び必要になると、金融機関その他の窓口を訪ねることが不自由になる可能性もある。「今までやっていなかったけれども、今のうちにやっておくべき事」を今のうちにぜひ処理しておきたい。

 端的に言うと、高齢者は、

(1)お金の在りかを整理して情報を家族と共有する
(2)金融取引に関する金融取引等委任契約と任意後見契約をつくる
(3)不要な保険や投資信託を解約する

 を今のうちに実行しておきたい。

 長年生きてくると、銀行や証券会社の取引口座が複数あって、そのうちの幾つかは全く使わないものであるような状態になることが少なくない。どこの口座に何が幾らあるのかを、この機会に確認しておきたい。

 併せて、使わない口座は解約するなり資金を抜いておくなりして、金融資産の管理を単純化するといい。また高齢者の場合、病気で一気に衰えたり、認知症になったり、あるいは急死したりするリスクが徐々に大きくなってくる。少なくとも、金融資産の在りかの情報を家族と共有しておきたい。

 また、急に認知症が進んだような場合に、法定後見となって弁護士や司法書士などの職業後見人を付けるようになると、お金の扱いが一気に不自由になるし、余計な費用がかさむ。高齢者本人の意志がはっきりしているうちに金融取引の代理人を決め、後に必要があれば任意後見人とする契約を公証役場で成立させておきたい。家庭裁判所から、職業後見人を後見人として付けられる事態を回避することができる。